蝙蝠の秘密2 ページ45
「…今、なんと」
「シーズン最初のクィディッチの試合で、ハリーの箒に呪いをかけて彼を殺そうとしたのは、クィレル先生ですわ。
私、見ました。あの日、スネイプ先生が一心不乱に呪文を唱えているすぐ近くで…同じように、一心不乱に呪文を唱えているクィレル先生を」
スネイプの目が、驚愕で見開かれる。
私は追い打ちをかけるように、とつとつと語った。
「ハリー達は、スネイプ先生が呪いをかけていると考えています。それは恐らく、その足の怪我のせいでしょう。
多分私の予想は間違っていないのですよね？先生は、三頭犬のに噛まれるか引っかかれるかして足を怪我された…けれど、それは決してあれを害そうとしたからではなくて、なにか目的があったから」
話しているうちに、自分でもそうだったのか、と驚いた。
この仮説なら、うまくいく。
そして閃いていくうちに、どんどん今までの出来事が糸で繋がって、ただのバラバラのピースがひとつにまとまったような気がした。
いつだったか、入学当初にグリンゴッツに泥棒が入ったこと。
ハリーがいつか談話室でロンに話していた、ハグリッドがグリンゴッツから何かを持ち出したこと。
三頭犬の足元の扉に、ニコラス・フラメル、そしてスネイプ。
「賢者の石ですか？」
今度こそ、スネイプの顔が歪んだ。
「けれど、妙ですね。あの臆病で頼りないクィレル先生が、そんな大それたことをするでしょうか」
クィレルは昔こそ様々な闇の魔術に対抗した素晴らしい魔法使いだったと聞くが、今のあれはとてもそうは見えない。
それに、賢者の石ほど有名なものを盗んだとして、売り払おうにも有名過ぎてすぐバレるだろうし、使うにしても永遠の命なんて欲しいのだろうか。
それこそ、怖がりそうなものだが。
まだ、なにか見落としている。
いやむしろ、まだ見ていないことがある。
「それに、ハリーを殺そうとする理由がわかりません。一体なぜ、」
「やめろ」
スネイプが、地を這うような声で言った。
「それ以上は、首を突っ込むな。…恐れ知らず、だったか。
まったく馬鹿げている、たとえお前が恐れなくとも、お前が害されないわけではないのだ」
スネイプは、貫くような鋭い視線で私を射抜いた。
きっとこれは、彼の本音。
この人は、本気で私を止めようとしている。
いつものように嘲りも煽りもしないその言葉が、それを裏付けていた。
「もう、やめろ」
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
