飛行訓練 ページ22
数日後、朝食を求め大広間へ向かうと、掲示板に人だかりが出来ていた。
なんだろうと覗くと、どうやら飛行訓練が始まるらしい。
スリザリンとグリフィンドールの合同だそうな。
それを見たグリフィンドール生はあからさまに顔を顰め、一様に嫌がった。
スリザリンのテーブルでは、ドラコが自慢げに箒の話をしていた。
グリフィンドールのテーブルにつくと、丁度ふくろう便が届いたところだった。
私がセシルが持ってきたお父様からの手紙をほどいていると、突然ネビルが嬉しそうに言った。
「あっ、『思い出し玉』だ！」
「あら、思い出し玉？懐かしいわね、昔私も持ってたわ」
「Aも？そうなんだ。
ぼくはね、おばあちゃんはぼくが忘れっぽいことを知ってるから…。
ほらハリー、何か忘れてると、この玉が教えてくれるんだ。見ててごらん。
こういう風にぎゅっと握るんだよ。もし赤くなったら…あれ？」
私とハリーが覗き込むと、思い出し玉が真っ赤に染まっていた。
ネビルは呆然として呟く。
「何かを忘れてるってことになるんだけど…何を忘れたか忘れちゃった」
ネビル・ロングボトムという人物が、少しわかってきた。
✤
そして迎えた、飛行訓練の日。
訓練場へ向かうと、既にスリザリン生が群れていた。
ドラコが声高に自慢をしているのをぼんやりと聞きながら、今日も青空が綺麗だなぁとぼーっとしていた。
するとつかつかと大股で、マダム・フーチが現れた。
短く切った白髪と、鷹のように鋭い黄色の瞳が印象的な、かっこいい女性だなと思う。
「何をぼやぼやしているんですか。みんな箒のそばに立って、速く。」
マダム・フーチがいきなり大声で言ったので、私達は慌てて箒の横へ立った。
古ぼけてバサバサしている箒。
右手を箒の上に突きだせというフーチの声に従い、手を伸ばす。
「そして、上がれ、と言う」
「「「上がれ！！！」」」
…なんの反応もない。
視界の隅で、ハリーの箒が一発で彼の手に納まったのを確認した。
依然として転がっている箒をじっと見て、もう一度静かに「上がれ。」と呟く。
すると、嘘のよう箒はスっと私の手に納まった。
私はニヤッと笑って、箒を撫でた。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
