隠れん坊 ページ18
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風屋敷に来て五日、
む「凛月姉〜、遊ぼう?」
縁側で遠くを見ていると、無一郎達が庭の方から走ってきた。暇つぶしに積み立てていた小石を片付け、こっぽりを履く。
凛「何して遊ぶかえ」
ゆ「隠れんぼだ!」
隠れん坊か、懐かし。30年振りくらいかえな。
ゆ「俺が鬼、凛月姉は術使っていいよ!」
凛「…良きぞ」
その言葉、後悔なせそ。
有一郎が木の前に立ち目を閉じ覆い、いーち…にー…さーん…と数を数ふ。無一郎は既に何処かへ隠れ、妾も急ぎ屋敷の中で隠れる場所を探す。
凛「…隠るるは得意なり」
着崩れかけた着物のシワを伸ばし、無意識に口元に弧を描いた。
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10を数え終えて、いざ凛月姉達を探しに行く。この時の為に、三日かけて屋敷の構造や敷地の地図を覚えておいたんだ。隠れそうな場所は全部把握している。
ゆ「無一郎ー、凛月姉ー。此処かな?」
木の茂み、縁の下、屋敷の裏、厨の洗い場の下、屋根裏部屋、押し入れの中。ガタッ…、という音が食器棚から聞こえ、勢いよく下の戸を開ける。
スパンッ!!
ゆ「無一郎、見っけた!!」
む「うわぁー、見つかっちゃったよ」
無一郎は見つかった。後は凛月姉だけだ。二人で協力して隅々まで捜す。敷地の木の上、屋根の上、厠…。
む「………居なくない?もしかして敷地の外に出たんじゃない?」
ゆ「まさか、そんなはずはないよ。凛月姉は屋敷から一歩も出ないのに…」
その時、
?「おーい、有一郎…」
む「不死川さん…」
玄関の方から不死川さんの声が聞こえ、隊服を着た本人が現れた。
ゆ「おかえりなさい。遅かったね」
不「ああ、任務で少し手こずった…。ちょいと風呂入ってくるわ…」
ずこずと風呂場に向かう不死川さんを見て、多少の引っ掛かりを無視し凛月姉を捜す。
それからまた十分、二十分経過した。けど、まだ凛月姉は見つからない。
直後、
ガラガラ…、ピシャン!!
?「帰ったぞォ…」
え、この声。いやなんでだ。だってさっきまで、
ゆ「不死川さんは…」
不「あ?俺がどうかしたのかァ?」
そこには私服を着た不死川さんが。傍らに日輪刀を帯刀して、片手にはおはぎの包み物を持っている。それじゃあ今、風呂場にいるのは…。察した無一郎と一緒に、廊下を走り風呂場に向かう。走るなと止めようとする声も聞かず、勢いよく脱衣場を抜け風呂の戸を開いた。
凛「あなや」
目に見えたのは全裸の凛月姉、細い腰とそこそこに大きな尻と腿、柔らかそうな胸筋。
凛「…我の負けなり」
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虚(プロフ) - とても良い作品ですね!お気に入り失礼します!好きです(((更新楽しみにしています! (2020年3月7日 0時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
Graecia devil sardine(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます!前に遊んだスマホアプリに出てきた女の子の話し方を真似てみました。 (2019年11月23日 12時) (レス) id: 890b359372 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ - 面白いです!夢主さんの喋り方めっちゃ好き… (2019年11月23日 12時) (レス) id: 98acb8ec1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Graecia devil sa-thin | 作成日時:2019年11月13日 20時