【鬼滅の刃】鬼殺隊最強の(元最年長)無柱はヒーロー嫌い。弐

陸拾(//) ページ14

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No.side
少し前、午前の部終了の頃。

？｢産屋敷｣

耀｢おや、久しぶりだね。エンデヴァー｣

午前の部を見終えて、自分も食事を取りに行こうとしていた産屋敷。その前に立ち塞がる、No.2フレイムヒーローのエンデヴァー。

エ｢お前の率いる鬼殺隊、その中で如月はどういう奴だ｣

耀｢結樹の事かい？あの子は鬼殺隊でとても優秀な剣士だ。誰よりも冷静で、誰よりも剣術が優れ…｣

エ｢違う。如月と言う奴は、どんな個性を持っているんだと聞いている｣

耀｢…どういう事かな？｣

産屋敷は微笑みを保ちながら尋ねた。エンデヴァーは一瞥した後、鼻で笑いながら話す。

エ｢あの狭いゲートから抜け出す瞬発力、仮想敵を日本刀で破壊する程の腕力、第三関門の地雷原で見せたものすごい瞬足。どれも常人には出来ん事だ。力を一時的に上げる個性、もしくはスタミナ関連の個性を持っているようにしか思えん｣

何を隠している、と産屋敷を指さす。彼はそれを聞き肩を震わせ、くすくすと笑みを浮かべた。その姿に、エンデヴァーはやや怒りを覚える。

エ｢何がおかしい…｣

耀｢いや、そんな事かと思ってね。会議でも言っていなかったから、この際言っておくよ。実は、私や鬼殺隊は皆、ほとんどが無個性だ｣

その言葉に目を見開くエンデヴァー。産屋敷は笑みを崩さず語り出す。

耀｢中には個性を持っている者もいるが、皆好んで鬼殺隊に入っている。ヒーローに不向きな個性でも隠となり裏で働き、とても役立てているよ。だが隊員にも柱にも個性を持つ者はいない。もちろん、結樹もね｣

エ｢…どのように鍛錬すればあの様な。オールマイトを超える力を得る事が出来る｣

耀｢それは分からないよ。ひたすら稽古や鍛錬をして誰よりも何よりも、努力した者にしか分からない。例え腕が変な音を立てようと、脚が動かなくなろうと、血反吐を吐こうと、自らが常に誰かを守るために高みを目指しているからね｣

エ｢…そうか、話はこれだけだ。失礼したな｣

産屋敷の隣を通り過ぎようとした時、彼はエンデヴァーに向かって微笑みを向ける。

耀｢変な悪巧みは止めようね。エンデヴァー、君の眼からは凄まじい負の感情(・・・・)が滲み出ている｣

エ｢…フッ、午後の決戦では焦凍と対決出来る事を願うぞ。互いの見せ所だからな｣



耀｢……………そうだね。…どんな結果になろうと、最終的に兄さん(結樹)を傷付けないならば…｣

そうでないと今度こそ、許せなくなってしまいそうだからね。

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