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勉強なんかするかよ、
森の奥へと宛もなく走りながらそう思う。
やっと疲れを自覚してから後ろを振り向くと
結構 奥まで来てしまっていた事に気づいた
「うわ…やったわ、これ」
まぁ、でもこのまま迷子になるのもアリかな…
どうせ帰っても怒られるだけだし、
勉強とか仕事とか全部やりたくないし
俺はまた歩きだし、更に奥まで進んでいった
「マジかよ…」
しばらく歩いてたら抜け道のような光が差した
場所があり、その狭い草木の間を通って抜ける
と、でっかい塔があった
見たことのない塔、
そして綺麗な虹のかかった滝、
あまりにも幻想的なその場所に俺は息を呑んだ
「うわっ、え、人？」
塔を下から上へ見てると、窓から誰かが顔を出し
たのが見え、こんな山奥に人が住んでるんだと驚く
しかも遠目から見る限り、髪が金髪だった
金髪の子はこっちに気づく様子なくまた部屋に
戻ってしまったけど、俺は塔へと近づき
好奇心だけを頼りに中途半端なところにある
階段まで岩に足をかけながら登った
つまらない日常の中で想像していた楽しさが
今 体験できていて、とてもワクワクする
階段を上がり、お洒落な木の扉を開ける
「お母様？」
すーっとした柔らかくも透明な声が俺の正体を
聞いてくる
その声に惹かれるように靴を脱いで家に入る
「っ、誰」
そう思われて当然だし、これは不法侵入あたりに
当たるものなんだけど、この場所でしか感じ
られないドキドキに心を奪われていて
気づいたら金髪の子に友達になってほしい
と伝えていた。
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