疑問が残る ページ5
それからというもの、合同任務の度に獪岳は彼ら二人と食事したり休日に街を歩いたりした。
酒を飲めば真田も上村もべろべろに酔っ払って獪岳に絡んだ。しかし酌をさせたり酒を飲むことを獪岳に強要する様なことだけは決してしなかった。
代わりに、これでもかというほど褒めちぎった。
獪岳はそれが照れくさかったが悪い気はしていなかった。自分を認めてくれる人間がいると実感出来てうれしかったのだ。
なのに、ある日突然別れはやってきた。
鴉が二人の死を報せた次の日、葬式が行われた。
獪岳は死に装束を着て棺の中にいる隊士達をよく観察した。その体をみて不思議に思った。
鬼に襲われ殺されたというのに、どういうわけか
顔も体もしっかり残っていたのだ。
喰われる事もなく。胴が離れたわけでもなく。
死因は失血死だったという。
辻斬りにあったかの様に斬られていた。鬼が襲ったにしてはおかしな光景だったと、鴉の連絡を受け駆けつけたという柱は言っていた。
｢きてくれたんだね、獪岳｣
｢...あぁ｣
Aは今回の件で彼らと共にその鬼に遭遇し、怪我を負ったものの全て軽傷で済んでいた。
二人が必死に庇ってくれたのだろうと周りの隊士は言っていたが、Aはそれについて何も言わなかった。
・
御館様は何も言わなかった。
優秀な隊士二人を殺した鬼について、Aに無理に聞こうとしなかった。彼女が言いたく無さそうにしていたからであった。
柱の面々は聞き出すべきだと言っていた。
応援に駆けつけた炎柱も、状況がわかっていなかったのだ。
｢鬼ガ出現！鬼ガ出現！隊士ガ負傷シタ！至急応援ヲ要請スル！！｣
鴉が炎柱に伝えたのはたったそれだけだった。
急いでその場所へ向かったが、着いた頃には全てが終わっていた。
地面に一人、背中から血を流している上村。
木の下で一人、倒れ込んでいる真田。
そして 真っ赤な血で染まった森の中に一人、月明かりに照らされ座り込んでいたA。
異様な光景だった。まるでこの二人の隊士から彼女を守るかのように、彼らは殺されていたのだ。
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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです！更新ずっと待ってます！ (2022年2月5日 13時) (
レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです！頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます！嬉しい...。更新頑張ります！！ (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます！更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります！番外編いいですね ...お話考えてみます！ (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりぼり | 作成日時：2020年3月18日 18時
