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16.出逢い ページ3

「お前基本の型が出来ないんだってな...。
そんなんで大丈夫か?今日の任務」

「まぁ無理せずしっかりやれよ。万が一の時はなんとかしてやるから」

「はい。先輩方のお手を煩わせないよう、精一杯頑張りたいと思います」


獪岳は顔に笑顔を貼り付け、目の前の先輩隊士二人に当たり障りない返事をする。


これが彼らとの出会いだった。


彼と挨拶を交わした日の夜。任務が終わった後、刀を鞘に収めた獪岳は「おい」と後ろから声をかけられた。

真田という隊士だ。

「置いてくぞ。早くこい、新人」


真田はそれだけ言ってスタスタと歩き出す。その足は町に向かっている。
 
任務は終わったというのに、まだ何かあるのか...獪岳は小さくため息をついて後を追った。


町に着くと飯所に連れていかれた。


店に入ると、先に来ていた上村が手を振って真田と獪岳を呼ぶ。


戸惑っていると真田に背中をポンと押され席まで誘導された。

獪岳が座ると上村は彼の目の前にお品書きを出した。


「あの......これは一体」

「早く任務が終わったからな。飯だ飯!お前もなんか頼めよ」

真田は獪岳の問いに間髪入れずに答えると、店員に注文を始めた。


そしてすぐに頼んだ料理が机に並べられる。

獪岳は何も頼んでいないのに、目の前に美味しそうな料理が置かれた。

目をぱちぱちさせている獪岳に上村は笑って声をかけた。

「ほら、なにぼけっとしてんだ新人。たくさん食べろよ」

「は、はい」

三人でいただきますと手を合わせた。


獪岳は夢中になって目の前の料理を食べた。
こんなに美味い飯を食べたのは久しぶりだった。

隊士になってから藤の家で食事を摂ることはあるが、隊士からの後輩虐めのような行為を受けロクなものを食べられなかった。

飯所へ行けば無理やり奢らされたし、飲めない酒も強制的に飲まされ散々な目にあってきた。

まだ隊士になりたてだということもあり、金もたくさん持っているわけではない。常に空腹に近い状態で生活していた。


ここで獪岳の頭に『なぜ今自分はこんな美味い飯を食べられているんだ』という疑問がよぎった。

そしてハッと我に返った。

手に持った椀と箸を置いて勢いよく下を向き、片手で口元を抑える。


...まずい、どうする。ハメられた。

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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです!更新ずっと待ってます! (2022年2月5日 13時) (レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです!頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます!嬉しい...。更新頑張ります!! (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます!更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります!番外編いいですね ...お話考えてみます! (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月18日 18時

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