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また明日も、私は笑って。 ページ7

<A…お前に、神の加護があらんことを…>

ヘブラスカに背を向けて歩き出した私に投げかけられた言葉。
それは、とても優しいものだった。

「…ありがとう。ヘブラスカ。」

振り返り、静かに微笑んで、また歩き出した。

彼女は、一体どれほどのエクソシストをその目で見てきたんだろう。
…きっと、私には想像もつかないほど長い時間…ずっと…
そして…多くの死を見てきた…。

…私も、死ぬのかな。

ごくり、と思わず唾を飲み込んだ。
少しだけ、恐怖で足がすくむ。
両手を胸元で握りしめた。

…大丈夫。

両目を瞑り、大丈夫、ともう一度語りかけた。
…死ぬのは怖くない。きっとその一線はもう、乗り越えたはずだから。
なんて、やっぱり怖いかも。

ふっ、と小さく自分に笑ってから、目を開けた。
前のほうで、いきなり立ち止った私の名前を呼んでいるコムイさんが見える。

「はーいっ」

私はもう一度、踏み出した。


この先私はきっとたくさんの障害にぶつかるだろう。
そしてそれは死を意味するのかもしれない。

でも私は立ち止ってはいけないから。

進み続けなければいけないから。


怖くないなんて、自分を勇気づけるための嘘だよ。
死なんて、どんな人にもきっと怖いはずだよね。

でも、きっとここで見つけられる。
本当の、信頼できる仲間が。
ずっと欲しかったものが。

こんな両手に生まれてきたがために、捨てられてしまった私だけど。

大丈夫、大丈夫。

何度も言い聞かせてきた言葉、
自分を勇気づけるための言葉、
今なら、本当に伝えられる。

大丈夫。


もう私は独りじゃないから。
大切な仲間がいるから。

…でもね、クロス師匠。
やっぱり私、怖いです。
仲間なんて出来るのかな、とか…やっぱり嫌われちゃったり、とか…
ちょっとしたミスで簡単に死んじゃったり、とか…イノセンスに見放されちゃったり、とか…

でも、言ってくれましたよね。
「捨てられた時点で、お前に自由はねェだろうが。醜く精一杯足掻いとけ」って。

馬鹿みたいにくだらない言葉。
でも、

馬鹿みたいに、足掻いて見せる。



また明日も、
  私は笑って。

「さて、朝ご飯食べに行こ。」→←「…すごく、綺麗ですね。」



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作品ジャンル:アニメ
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シャル@如月唯奈(プロフ) - わかる、アレンてかっよすぎるよね…(鼻血)(///ω///) (2019年11月17日 20時) (レス) id: 38d229791e (このIDを非表示/違反報告)
耀 - 私と生年月日とか星座一緒だ! (2019年4月8日 6時) (レス) id: c519b7d787 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - うにゃさん» 違うの!?でもすげえ!! (2014年1月11日 16時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ(プロフ) - ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいwwさん» 中国語ね、タイプしてみたんだけど投稿したら、日本語には存在しない字が記号化されちゃってやべぇどうしようwwと思ってるから今、あれ微妙に中国語じゃないよ( (2014年1月11日 14時) (レス) id: ef039a1947 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - 中国語読めねぇ…読める? (2014年1月11日 10時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年9月28日 1時

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