……………どうして黙るの。 ページ42
数十分前に私は風呂を浴びたばかりだ。
だがしかし、また浴びるとはだれも想定していなかっただろう。
しかも今度のシャワーは、鼻を突くような、痛い臭いをあたりにまきちらし、そのうえとっても痛い。
「ふちょぉおおおお!!??」
目の前の女性は、ポリタンクに入っていた消毒液を丸々私にかぶせました。
悲鳴と相違ない声をあげながら、私は暴れる。
べったりと体に纏わりつくツンとした痛い臭いと感触。
そして少し動けば傷口をまるで焼いていくような、そんな恐ろしい痛み。
古傷にも響いて、流石に痛みに慣れた私でももう堪えきれない痛みだった。
「いっだぁあああ酷い酷いいだいひどっくっ、っ〜〜!!」
まるで頭がおかしくなったかのように、何とかして消毒液を振り払うかのように私は四肢を上下左右に振り回し、椅子からなどとうに落ちている。
尻餅をついた痛みなど、消毒液の痛みにかき消されて何も感じない。
願わくば痛みさえも振りほどけたらと馬鹿みたいな願いを抱きながら、狂ったように私は暴れ続けた。
本当に痛いっ。半端なく痛い。
あの痛みは、トラウマレベルで痛い。
ふと思い出しても全身が焼けだすような痛みとともにフラッシュバックされるだろう。
後半ではもう声にならない悲鳴をあげていた。
むしろ声すら出なかった。
それほど、婦長の消毒液シャワーは痛かったのだ。
「これに反省したら、大人しくしてくれるわよねぇ…?」
「す、るっ…しま、っすから…ぁあああ!!いっだいっ、っ…んぐ、ぃ、ぁああ…!」
みっともなく痛みにボロボロと泣き出した私を、リナリーちゃんがよしよししてくれた。
あぁ、嬉しいけどなんも効果がない。
ようやく痛みがおさまってきたところで、心身共にダメージを受けすぎた私はもう動けずにいた。
「肩の傷はちゃんと貫通しているから、全治1か月ね。それまで病室で大人しくしていなさい。」
「え、ふちょ…わた、し、入院です、か…」
息も切れ切れで、短い文もちゃんと発せられない。
喉が焼けるような感触を覚え、叫びすぎて喉を枯らしたんだと気づく。
酸素不足で、息も荒く肩を激しく上下する…が、そのたびに肩の傷口が痛むのでエンドレス。
「当たり前でしょ。そんな傷で外でも出歩いてきなさい。その腕なくなるわよ。」
殺人予告的なものをされ、思わず私は後ずさる。
それを臆ともせず、婦長は私の体に包帯を巻きだした。
「…私のご飯は、どうなるんですか…。」
……………どうして黙るの。
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シャル@如月唯奈(プロフ) - わかる、アレンてかっよすぎるよね…(鼻血)(///ω///) (2019年11月17日 20時) (レス) id: 38d229791e (このIDを非表示/違反報告)
耀 - 私と生年月日とか星座一緒だ! (2019年4月8日 6時) (レス) id: c519b7d787 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - うにゃさん» 違うの!?でもすげえ!! (2014年1月11日 16時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ(プロフ) - ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいwwさん» 中国語ね、タイプしてみたんだけど投稿したら、日本語には存在しない字が記号化されちゃってやべぇどうしようwwと思ってるから今、あれ微妙に中国語じゃないよ( (2014年1月11日 14時) (レス) id: ef039a1947 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - 中国語読めねぇ…読める? (2014年1月11日 10時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:
作成日時:2013年9月28日 1時