【D.gray-man】 Sorry but Goodbye

甘えたい。 ページ39

湯を浴びて体がホカホカした私は、異様にお腹が空いてしまい食堂へ向かう。
おやつの時間だ。
そのうえ、いつもはしない運動をして体はバキバキだ。

戦闘センスがないという致命的な欠点を補うために、師匠とやった特訓って、一方通行の攻撃くらいだったしなぁ。勿論師匠からの。
痛みを超えるのにはより大きな痛みを論だもん、師匠。

っていうか、今の時間食堂開いてるかな？
まだ4時だけど。

そんな思いで食堂を覗けば、思いの外食堂はにぎわっていた。
大量の化学班の人たちが昼飯らしい食事をとっている。
…まさかとは思うけど、化学班ってすっごい大変なんさ？(思わずラビ語)

その中で見知った顔が見えて、少し駆け足で近づいた。

「リーバーさん！」

その名を呼べば、隈いっぱいの疲れ果てて皺くちゃになったリーバーさんが顔をあげた。
あ、リーバーさんが食べてる饅頭おいしそう。

「おっ、A！任務から戻ったのか？」
「はいっ、無事任務遂行し、事後報告は慣れないからという言い訳でラビに押し付けちゃいました。」

敬語でこんなにはきはきと喋れたのは、師匠以外で初めてだ。
リーバーさんに対してあまり人見知りが発揮しないのは、おそらくリーバーさんが発しているお父さんオーラのせいだと思う。甘えたい。

「班長、その子が新しいエクソシストっすか？」

リーバーさんと一緒に食べていたであろう部下さん？たちが揃って私を見てくる。
大量の目が私をじろじろと見てきて、恐怖と緊張で思わず固くなる。

「え、あっ、は、じめまして、A・ルーチェと言います！エクソシストとしては未熟で弱くて…えっと、でも、頑張りますのでよろしくお願いします！」

精一杯の誠意をこめて頭を下げる。
見捨てられたくない一心の気持ちが湧いてくる。

「おー、やる気のある子だな。此方こそ、俺はタップだ。」
「俺はジョニー！よろしくね！」

まるまる太ってむしろ愛着が湧くデブと、それと並ぶと骨にしか見えない便底眼鏡くん。
とっても個性的で素敵。

「どうしたんだ、こんな時間に？」
「えっと、お腹空いたのでおやつでもと…」
「ははっ、お前アレン並に大食いだな」

そんな無駄話をしてると、バタバタと走る音が聞こえる。
周りのざわめきもやみ、皆が音の主へと振り返る。

髪を結ぶのはおろか、ろくに髪を乾かさず着付けもままならずな黒天使、リナリーちゃんが走ってきた。
それも、すごい形相で。

「Aちゃん、怪我！！」


やべ、忘れてた。

いやん。→←「リナリーちゃんには、わからないよ…」

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