【D.gray-man】 Sorry but Goodbye

「特訓してから風呂入ろっ。」 ページ37

「やっぱり体のビルドアップだよなぁ…」

聞きまわって集めた情報とともに、私は考えに耽った。
自室のベッドはやはりふかふかとしていて心地よく、私を眠りへと誘うようだ。
そういえば、任務から帰ってきてまだお風呂浴びてない。
私ってなんか、お風呂になるとなぜかのんびり屋さんになるなぁ…。

「特訓してから風呂入ろっ。」

アレン君が教えてくれた特訓方法。
アレン君曰く「女の子がムキムキとかは僕も嫌ですから、Aにはもうちょっと優しい特訓方法にしましょう。ダンスとかどうですか？」と言われた。
いつの間に仲良くなったの、なんて野暮なことは聞かない。

ダンスなんて…と馬鹿にしてしまいそうだが、確かに一理ある。
普段から特訓しない私にとっては、いきなり腕立て伏せなんて馬鹿らしいにも程がある。
っていうか絶対続かない。

その代りダンスなら…踊るの嫌いな人なんていないだろう。
どうせ自室で踊るんだから、他人の目なんて気にしなくていいし。
それに、種類によるけど、ダンスは俊敏さとしなやかさなどのいい特訓になる。

スターターとしてはこれほどいいおすすめ特訓はないだろう。
流石アレン君。女の子の扱いをわかっていらっしゃる。

手始めに何踊ろう。
ダンスなんてろくにしたことないから、本当に戸惑う。

ようつべで「踊ってみた」とタイプすると、出るわ出るわ宝の山が。

とりあえず実際に踊ってるのを真似すればいいのかな？
踊ったことないけど、多分結構簡単だよね？


***


「あ、Aちゃんもお風呂？…って、随分疲れてるみたいだけどどうしたの？」
「…ナメてた…本当にダンスナメてた…画面の向こうはあんな余裕そうに踊ってるのに…一つの動きにどれだけの血と涙と汗が…」
「…だ、大丈夫…？」

あぁっ、ひかないでマイエンジェル。

お風呂場の脱衣所でぐったりともたれかかる私に、遠慮することなくするすると服を脱いでいく。
やばい、超スタイルいい。
私もう服脱ぎたくない。

「一緒に入ろ？」

首を傾げながら問われ、問答無用で私は頷いた。

「そっか、訓練してるんだ。すごいね！私なんて全然やってないよ。」
「私は弱すぎるから、やらなきゃついていけないんだよー…。あーっ、気持ちいい。」

ちゃぽん、と水音をたてながら私たちはお湯につかる。
幸せ…ちゃんとしたこんな感じのお風呂って私入ったことないや…。
白いお湯が波を立てて動き、熱いようなちょうどいいような温度が体を包む。

落ち着く…。

「リナリーちゃんには、わからないよ…」→←「何もしないで弱いままよりは、頑張っても弱いままのほうが響きがいいじゃないですか」

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