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「私はその手、すごく好きですよ。」 ページ35

「私ね、昔から何やってもダメダメだったの。手芸をやらせれば失敗、料理をさせれば失敗。手はいつも絆創膏ばっかりで、いっつも泣いてばっかり。」

ふ、と自嘲気味にミランダさんは自分の手のひらを眺めた。
その手には確かに、薄いけど傷跡が残っていて痛々しい。

「みんなの足を引っ張ってばかりで、友達なんてろくにいなかったわ。それは大人になっても変わらなくて、仕事もミスばっかりでいっつもクビ…でもね、ある時古時計を譲ってもらったの。壊れて、もうゼンマイも回らなくて…でも、私が回したら動き始めたの!嬉しかった。初めて私の存在を認めてくれたような気がして…」

あ、と一つのことに気づき声をあげれば、ミランダさんはゆっくりと頷いた。
それがミランダさんのイノセンス…奇怪現象?

「それからは古時計が私の支えになっていたのかも…でもね、ある時、バイトで失敗しちゃって…明日なんて来なければいいって思ったの。」

ふふ、と笑って私を見るミランダさん。
もう何が起こったのか、話を聞かなくてもわかって、私は乾いた笑いを漏らす。
冷汗が流れる。
…そんなことって…できるんだ…イノセンス…。

「お察しの通り、明日が来なくなっちゃったの。同じ今日がずっと流れて…でね、いろいろあって、アレン君やリナリーちゃんに会って…アクマにも…いっぱい怖い思いをして…


私はエクソシストになったのよ。」

ぞわ、と鳥肌が一瞬たった。
何気ない、子供の童話にでもありそうな物語の一遍みたいなお話。
なのになんでだろう。
表情?

思わず私は腕を摩った。

「おーい!ミランダー!帰ってきてばっかで悪ぃけど、任務の話すっから司令室来てくれー!」

遠くからリーバーさんの声が聞こえた。
ミランダさんはちょっとびっくりしてから返事して、私に向き直った。

「ごめんね…もうちょっと話したかったけど…」
「…いえ。ミランダさん、引っ張りだこなんですね。」

くす、と笑うと、ミランダさんがやんわりと否定した。
席を立ち、頭を少し下げるミランダさんに、私は声をかけた。

「私はその手、すごく好きですよ。」

努力してきた手が。
嬉しそうに笑ったミランダさんは、そのまま走って司令室へ向かった。


…時間を操るイノセンス。
攻撃では使えそうにないそんなイノセンス。
それなのに、使えて、任務に引っ張りだこで…。

「…特訓、しよ…」

努力は実るっけ。

「何もしないで弱いままよりは、頑張っても弱いままのほうが響きがいいじゃないですか」→←「え、なにそれ格好いい!」



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作品ジャンル:アニメ
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シャル@如月唯奈(プロフ) - わかる、アレンてかっよすぎるよね…(鼻血)(///ω///) (2019年11月17日 20時) (レス) id: 38d229791e (このIDを非表示/違反報告)
耀 - 私と生年月日とか星座一緒だ! (2019年4月8日 6時) (レス) id: c519b7d787 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - うにゃさん» 違うの!?でもすげえ!! (2014年1月11日 16時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ(プロフ) - ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいwwさん» 中国語ね、タイプしてみたんだけど投稿したら、日本語には存在しない字が記号化されちゃってやべぇどうしようwwと思ってるから今、あれ微妙に中国語じゃないよ( (2014年1月11日 14時) (レス) id: ef039a1947 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - 中国語読めねぇ…読める? (2014年1月11日 10時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年9月28日 1時

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