「イノセンスって生きてるんだよ」 ページ31
折れていく、そんな音をあたりに目いっぱい響かせながら、アクマは散った。
あとに残るは、バラバラになったアクマの残骸。
血は出ない。凍らせたから。
やがて、自然解凍される頃には、アクマは跡形なく消えているだろう。
「…終わったか?」
戦闘終了の余韻に浸っていたようであるラビは、槌のでかい頭を地面に埋め込ませながら、その槌の柄に寄りかかっている。
その格好もまるで様になっていて、思わず気が抜けた。
アクマを倒した時点ですでにイノセンスは解除してあるので、もう体を支配してるのは疲れだけだ。
ラビを相手したアクマは、第一体目と同じく黒炭状態で、やっぱり焼かれたんだ…と苦笑を浮かべる。
にしても、ラビと自分の相性の悪さには驚いていた。
だから最後はあんな凍らせ方をしたんだけど。
「うわっ、お前ボロボロさ。大丈夫か?」
応急処置を、と屈んだラビに、私は笑いかけた。
心配そうにこちらを見るラビに、大丈夫と声をかける。
「これでも師匠に鍛えられて痛みには丈夫なんだ。っていうか、師匠曰く私に全くの戦闘センスを見受けられなかったから、痛みに慣れるための特訓しかしてこなかったし…」
「…すみませーん、それはどんな特訓ですかー。」
「…………ふふふっ、知りたい……?」
「クロス元帥の弟子はみんな黒くなるんさ!?」
もういやさ!と青ざめるラビに、私はおかしくなって思わず笑ってしまった。
その拍子に体中が痛んだけど、ちょっと顔をしかめるだけで済んだ。
っていうか応急処置…したほうがいいかな…断ってから心配になってきた…凍らせただけだし
ま、小屋に戻ってから考えよ。
「…にしても、Aはよくある、戦闘中はキャラ変わるんタイプなんか?」
ラビも武器をしまい、小屋への足取りを再開しながら、唐突にラビは尋ねた。
あー…確かに、変わる…かも…でも、ちょっと違うんだよなぁ…
「うーん…毒されてる感じかな?」
「毒されてる?」
歩を止め、訝しげに、不思議そうに、ラビは私に聞いた。
それに頷きながら、私は少し考える素振りをする。
「私のイノセンスって結構残酷だから…イノセンス発動中は、私自身は、イノセンスの言いなりなんだよね…だから多分そのせいかも」
「…残酷?言いなり?イノセンスに性格ってあんのか?」
そう不思議そうに問うラビに、今度は私が不思議な表情を浮かべる。
っていうか、なんかとても不思議な、変な気分。
「知らなかった?」
「イノセンスって生きてるんだよ」
「戦闘センスからっきし、か…」→←「あんな痛みで、私を怯ませることができるわけないでしょ。」
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シャル@如月唯奈(プロフ) - わかる、アレンてかっよすぎるよね…(鼻血)(///ω///) (2019年11月17日 20時) (レス) id: 38d229791e (このIDを非表示/違反報告)
耀 - 私と生年月日とか星座一緒だ! (2019年4月8日 6時) (レス) id: c519b7d787 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - うにゃさん» 違うの!?でもすげえ!! (2014年1月11日 16時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ(プロフ) - ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいwwさん» 中国語ね、タイプしてみたんだけど投稿したら、日本語には存在しない字が記号化されちゃってやべぇどうしようwwと思ってるから今、あれ微妙に中国語じゃないよ( (2014年1月11日 14時) (レス) id: ef039a1947 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@アレンがカッコ良すぎてヤバいww(プロフ) - 中国語読めねぇ…読める? (2014年1月11日 10時) (レス) id: 339baa305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:
作成日時:2013年9月28日 1時