【D.gray-man】 Sorry but Goodbye

「死ねッ、エクソシストっっ」 ページ29

第一体目の、なめくじみたいな形をした気持ち悪いアクマは、ラビのイノセンスで焼け焦げて真っ黒になり、塵と化していた。
二体目の、巨大な人形みたいななりのアクマは、現在ラビと向かい合っている。
そして三体目が、蛇のように細長く、鳥のような手を持っているアクマは、現在私の首根っこを掴んでいる、と…

首を窒息寸前まで圧迫されてるのにも関わらず、頭の中は冷静に分析し、私は平静を装う。
内心は酸素寄越せと暴れてるけどね。

つまり、ラビと私、アクマ2体でちょうど2対2。
それならラビのことを気にすることなく戦えそう。

自分弱いんだから、自分だけに集中しろよって言いたいところだけど、弱いからこそラビに負担がかからないか心配なんでね…
とりあえず自分ができる全力のことをするまで！

「っていうか、そろそろ手ぇ離せっ！」

いまだに首根っこを掴んだままのアクマを思いっきり蹴り飛ばす。
あまり効果はないようで、首は解放されたものの、けたけた笑っている。

げほげほ、と何度かせき込みながら必死に酸素を取り戻す。
その間に、アクマは笑いながら戦闘態勢に入ったようだ。
一刻の猶予もくれないね…。

機械音が響き渡り、気づけば目の前に黒塗りの銃口があった。

「くダけちマエっっ♡」
「っ！」

耳を塞ぎたくなるほどの轟音が響き、心臓が飛ぶ。
どくどくとうるさい心臓の鼓動を感じながら、連続で飛んでくる銃弾一つ一つに触れながら凍らせていく。
恐怖に歯ぎしりする。あぁもう、まどろっこしい！

「―っぁ、」

指が掠る。
一つを逃した。

すべてがスローモーションに思えて、ゆっくりと弾丸がこちらに来るのが分かった。
馬鹿みたい。焦って、自爆するなんて…。

「ぐっ…ぅ…」

肩が焼けるような感触がして、思わず肩を押さえて蹲る。
その間に、止められなかった残りの弾も体中を掠っていった。
おそらく、しゃがんでいたことで直撃せずに済んだのだろう。

それでも、体の中を侵食していく「何か」に、恐怖を感じずにはいられなかった。

「A！！」
「っ、だ、いじょぶ…っ！」

寄生型のエクソシストは、体内のアクマのオイルを打ち消すことができる…！

「ソんなコと知ッテるっつーノ！」
「ぁっ…！？」

胸に手を当て浄化をしようとした私の体を押し倒し、上から圧力をかける。
その手には、チェーンソーらしきものがあった。

にぃ、と醜い笑顔を浮かべるアクマ。


「死ねッ、エクソシストっ！」

「あんな痛みで、私を怯ませることができるわけないでしょ。」→←「全然便利じゃないです。」

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