【D.gray-man】 Sorry but Goodbye -Terzo-

「ケーキ！」 ページ7

「ふわぁああああ！」

ザワザワと騒がしい大部屋。カチャカチャと食器同士がぶつかる音。
汽車の中とは思えないほどでかい、二階建て。
多分これは一車両丸ごとを使ってるんだろうな、っていうサイズ。

「けけけけ、えケーキですよラビ！ケーキ！」
「わかったから落ち着けさ！敬語になってんぞお前、っつかケーキくらい教団だってあったじゃんか」
「外でのケーキと中でのケーキはそりゃもう違うでござます！」
「ござます！？お前キャラ安定してないさ！」

あまりの興奮に自分が何を言っているのか全然理解できない。
一番大切なのは、私の前で所狭しと並んでいるケーキたちのことだ。
あまりの美しさと嬉しさに、キラキラと光るエフェクトでもついているような錯覚。
あぁあもう駄目、食べたい！

「ブルーベリーチーズケーキはやっぱ王道だよね！トルテもエクレアもあるし、あ、これはレアチーズパイかな？その隣に並ぶのはやっぱり王道のレアチーズケーキだよね！うわぁ美味しそう！アップルパイもあるし、りんごのシュトゥルーデルまであるよ！これはアマンディーヌだよね多分！ガトーバスクもある、珍しい！こっちはティラミスのカップケーキだね。 あ、このマドレーヌ可愛い！マフィンもいろんな種類があるし、コンポートフルーツケーキまであるなんて本格的！エンゼルケーキは食べたことなかったっけな、クランブルケーキも味見しな」
「待て待てちょっと待てさ！」

完全に自分の世界に入りながらケーキをお腹いっぱいになりそうなほど見つめていると、ラビからストップがかかる。
何さ、折角人が楽しんでるのに中断しおって……。

「え、ちょっと待ってさ途中から何語？ってなってたぞ今」
「それはラビの知識が少ないだけだよ、一般的にこんなの普通だよ」
「絶対普通じゃないさ！」

シュトゥルーデルって何！と叫ぶラビを無視して、私は早速ウェイトレスさんに案内された席につく。
座ったのは一瞬だけで、すぐに立ち上がり皿を取りに意気揚々と歩き出した。

「ラビはそこで席取ってて？ラビの分も取ってこようか？」
「いや、自分で取るさ」
「わかった、じゃあすぐ戻るね！」

言うまでもなく、戻ってきた私の手にはプロのウェイトレス並の手つきで4皿持っていて、2皿は主食、2皿はデザートに綺麗に分かれていた。

「お前、ブローカーって知ってるか？」→←「お待たせラビ、行こー」

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