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「お待たせラビ、行こー」 ページ6

さっさとパジャマを脱ぎ捨て、シフォンピースを見に包む。
肌触りのいいシルク感がとても好みだ。

「お待たせラビ、行こー」
「おー」

ラビは手に持っていたものを閉じ、腰かけていた私のベッドから立ち上がる。
ふと、ラビが持っていたのは私の本だと知る。

「あれ、私の本がどうかした?」
「いや、読んでただけさ。 面白ぇな、この本」
「ラビってやっぱり予想通り戦闘系の本のほうが好き?」
「んー……内容によるけど、この小説ん中のファンタジー設定は俺の好みドストライクさ」

楽しそうに笑みを綻ばせながら、再び本を捲るラビ。
まるでプレゼントを貰った子供のようだ。

「その本、貸してあげるよ」
「ん、いいのか?」
「うん。 私もその本はお気に入りで、何度目か繰り返し読んでるの。 内容が好きすぎて覚えそうだけど、それでも飽きないんだよね」

へぇ、とどこか嬉しそうなラビ。
そして本を再び閉じ、本をひらつかせながら言った。

「んじゃあ有難く借りるさ。 さんきゅな!」
「どういたしまして。 それじゃあ早く朝食食べにいこ」
「ん」

小さく返事をしてラビは本を机に置き、歩き出した。
ルームキーは忘れずに、流れるような動作で彼のズボンのポケットに収まった。
先に靴を履いていたラビを部屋の外で待たせ、私はヒールサンダルの留め金を留めるのに苦戦した。
なんかこれって時に留めにくくない?

ヒールを鳴らすように足を着地させ、歩き出す。
とはいえ、床は所せましと絨毯が敷かれていて音は鳴らなかったが。残念。

起きたばかりに見るこの汽車の内観は、なんとなく不思議なものだった。
昨日見たのと違って、それだけ味がある。
でもやっぱり、ホテルを連想させることだけは昨日と同じだった。

「んで、A。 今日の朝飯は何にするんさ?」
「えっとねぇ、朝は少食だから、メニューの半分!」
「それは少食とは言わねぇぞ」
「あ、ってかこういう時って大概朝ごはんはビュッフェじゃないの?」

そうかもな、とラビが少し考え込む。
ビュッフェスタイルだったら好都合だ。
好きな物を好きなだけ食べれる。
しかもこの高価な汽車では食べ物の種類も多いだろうし味もいいだろう。
あぁもうすでに楽しみで胸が躍る。
胸どころか興奮を抑えないと体が躍り出しそうで、自然と足がスキップしていた事は無視しておこう。

「本当に食べるの好きだなお前……」と何度目かのラビからの呆れが聞こえたが、とりあえずお礼を言っておく。
それは勿論褒め言葉でしょう。

「ケーキ!」→←「うぇえ、寝ぼけてたぁ……」



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作品ジャンル:アニメ
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∧∧ネコミミ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - mo-taさん» 面白いですかありがとうございます!もう4冊目なのでなんでこんな長引いてるんだよ!と茶舞台ひっくり返したい思いです! (2014年9月6日 12時) (レス) id: d6bef4f0e5 (このIDを非表示/違反報告)
mo-ta - どうも!mo-taです。この作品すごく面白いと思います!!更新楽しみにしてます! (2014年8月23日 6時) (レス) id: 58b0bd4753 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» お久しぶりです!またコメくださって本当に嬉しいです!クロちゃん格好良くしたいっていうかどんなキャラも格好良くしたい( (2014年8月11日 19時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - お久しぶり(?)です!ク、クロちゃんが...クロちゃんがカッコ良く見えましたΣ(゚д゚lll) (2014年8月11日 8時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» 大好きだなんて嬉しい言葉をありがとうございます。他の作品も御閲覧していただいてるなんて頭が上がりません…!ありがとうございます、頑張らせていただきますッ (2014年8月7日 15時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年5月18日 18時

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