＜暴れてるのは、一つのイノセンスだ……＞ ページ15
同時刻、教団にて。
「室長」と呼ばれている男は、教団の中を駆けていた。
その後ろには、彼にとって一番信用できるであろう化学班の班長がついてきている。
彼の名前は、コムイ・リー。
何を隠そう、エクソシストであるリナリー・リーの兄である。
そして化学班班長の男の名は、リーバー・ウェンハム。
二人は教団中の注目を浴びながら、教団内を駆け続けていた。
「あらんっ、二人ともどうしたの！？」
二人のあまりの剣幕に、料理長という立場に座っているジェリーという性別不明な人が声をあげる。
食堂の注文受付口から乗り出すように顔を出して二人に声をかけたが、二人は一向に立ち止まる気配はない。
寧ろ皺を深く刻み、歯を食いしばっている。
「悪いっ、ジェリー今は時間がねぇ！」
答えないコムイの代わりに、リーバーは振り返らずに叫ぶ。
そのまま、彼らは食堂のもう一つの入り口から姿を消した。
「……いったいどうしたのかしら」
不安そうなジェリーの表情は、やがて次の注文が来たことによって消えていった。
やがて息を切らしつつ二人がたどり着いた場所は、教団の最下層だった。
そしてその最下層の通称とは、「へブラスカの間」。
そこには、神々しいとしか言えないような、だが人には到底見えない人物がいた。
だが、何かがおかしい。
＜う……うぅ、……＞
感情のない、抑揚のない声。
だけどそれは確かに、苦しんでいた。
体を丸めるようにして、苦しみを体で表現していた。
だがそれに反し、表情は変わっていない。
寧ろ、髪と思しきものに隠れて表情の半分以上が見えていないのだ。
「ヘブくん！」
ここでようやくコムイは口を開く。
彼は彼女の名を呼び、エレベーターと似た性質のものから身を乗り出す。
＜……近、づく……な、コムイ……＞
『遅いぞコムイ』
二つの声が同時にコムイの名を呼ぶ。
だがコムイの意識は、ただ目の前の聖女に釘付けだった。
似ているのだ。
彼女の今の状態は、コムイの一つの記憶を呼び出した。
＜苦しい……私の、中の……石箱(キューブ)が……＞
「まさか……」
それしかありえない、とコムイは一つの答えを導き出す。
「「臨界者」が現れたのか……！？」
それは、アレン・ウォーカーが臨界者、つまり元帥になったあの時と同じ状態だった。
だが……
＜違……う＞
零れ出た衝撃。
＜暴れてるのは、一つのイノセンスだ……＞
「……まさか！」
コムイは目を見開く。
＜Aの、イノセンスだ……＞
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - mo-taさん» 面白いですかありがとうございます！もう4冊目なのでなんでこんな長引いてるんだよ！と茶舞台ひっくり返したい思いです！ (2014年9月6日 12時) (
レス) id: d6bef4f0e5 (このIDを非表示/違反報告)
mo-ta - どうも！mo-taです。この作品すごく面白いと思います！！更新楽しみにしてます！ (2014年8月23日 6時) (レス) id: 58b0bd4753 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» お久しぶりです！またコメくださって本当に嬉しいです！クロちゃん格好良くしたいっていうかどんなキャラも格好良くしたい（ (2014年8月11日 19時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - お久しぶり(？)です！ク、クロちゃんが．．．クロちゃんがカッコ良く見えましたΣ(ﾟдﾟlll) (2014年8月11日 8時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» 大好きだなんて嬉しい言葉をありがとうございます。他の作品も御閲覧していただいてるなんて頭が上がりません…！ありがとうございます、頑張らせていただきますッ (2014年8月7日 15時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年5月18日 18時
