「……ブローカー」 ページ13
「ッ――……」
扉を開け放ったまま、私は床に膝をついた。
追いかけるように髪の毛が私の頬を擽る。
目を見開いたまま、口すらも動かせないでいた。
私は
私は……
「……遅かった、――？」
目の前に広がる惨状。
壁一面に広がる血飛沫。
床には、黒い炭のようなものが山を作っていた。
……これが、AKUMAの弾丸で撃たれた人の末路。
そっと指で、その山に触れてみる。
かつて人だったもの。
触れるだけで、パキリと割れてしまった。
今はこんなにも脆い。
「これは多分、真夜中のうちにやられたんさ」
「……私たちが、教団のものだったから……？」
「AKUMAが来た理由はそれさ。 この大量虐殺は、ただのAKUMAの殺戮衝動だな」
低く重いラビの声。
私はそこから一歩も動けずにいた。
私達が甘かったのだろうか。
私達がここに来なければ、ここの人たちの命は奪われなかった。
私達が――……
「A！」
ラビの叫びを耳にするが早いか、響く銃声音。
その銃弾は私の顔のすぐ横を通り抜け、目の前の壁にへこみを作った。
頬に僅かながら痛みを感じているところを見ると、おそらく頬が裂けてしまっているのだろう。
二発目がまだ来てないことを音で知り、私はゆっくりと体ごと振り返る。
……そこにいたのは、一般人にしか見えない男だった。
だが、確かにその手には銃が握られ、その銃口は私に向けられている。
煙が上がっているところから、間違いなく先ほどの銃弾はこの銃より撃たれたものだろう。
「チッ……エクソシストを殺せば、報酬は弾んでくれるって言ってたのになぁ……」
「……あなた、」
言葉が続かない。
普通の人間。間違いない。
それなのになぜ……
「いちいち足掻くなよエクソシスト。 お前らなんて千年伯爵の邪魔だからとっとと消えてくれ」
その言葉と同時に、ラビの言葉がフラッシュバックする。
そうだ、千年伯爵に肩入れする人間。
私達にとってのイレギュラー。
儲かるためにどんなことでもする、人間の最低層。
「……ブローカー」
「A！下がってろ！」
ラビが私の前に立ちはだかる。
未だに動けないままでいる私に向かって叫ぶ。
だけど私はそれでも、動けないままでいる。
動かなくちゃ。
動かなくちゃ。
動け。
「……ラビ」
「早く下がれって！」
違う、違うんだ。
私は、今……何を、考えてる――……？
「ラビ、……ラビ」
何度も名前を呼べば、訝しげにラビは振り向く。
「彼は、私に頂戴」
人間同士、勝負をつけようじゃない
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - mo-taさん» 面白いですかありがとうございます！もう4冊目なのでなんでこんな長引いてるんだよ！と茶舞台ひっくり返したい思いです！ (2014年9月6日 12時) (
レス) id: d6bef4f0e5 (このIDを非表示/違反報告)
mo-ta - どうも！mo-taです。この作品すごく面白いと思います！！更新楽しみにしてます！ (2014年8月23日 6時) (レス) id: 58b0bd4753 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» お久しぶりです！またコメくださって本当に嬉しいです！クロちゃん格好良くしたいっていうかどんなキャラも格好良くしたい（ (2014年8月11日 19時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - お久しぶり(？)です！ク、クロちゃんが．．．クロちゃんがカッコ良く見えましたΣ(ﾟдﾟlll) (2014年8月11日 8時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - 銀来さん» 大好きだなんて嬉しい言葉をありがとうございます。他の作品も御閲覧していただいてるなんて頭が上がりません…！ありがとうございます、頑張らせていただきますッ (2014年8月7日 15時) (レス) id: d4f6060cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年5月18日 18時
