怖さで死ねる。 ページ11
「それで…これから、どうするの?」
リナリーちゃんの問いに、私は逆に首を傾げた。
彼女はいったい私にどういう答えを求めているのだろう?
と、言うか…
「ほかにどんな選択肢があるの?」
「…えぇと…」
答えられなくなってしまったリナリーちゃんに、思わず笑みがこぼれた。
だって、すごくかわいいんだもん。
「とりあえずは安静にしなきゃ。アクマのおかげで、前回の傷は開いちゃった上に今回は小さくも貫通してない傷も何個かあるから。」
「また怪我してきたの!?」
リナリーちゃんの動揺声を筆頭に、アレン君とミランダさんが次々と騒ぎ出した。
えぇと、なんだかごめんなさい。トロくてごめんなさい。
「っていうか、ちょっと痛がってくれないとわかりませんよ!」
「そうよ、痛みに強いってことは聞いたけど、いくら痛みに強いからって他人が気付かないんじゃダメよ!!」
うん、なんで私は怒られているんだ。
だって、別に、痛くないもん…。
「と、とにかく婦長のところへ!!」
「うわぁああ嫌だぁああ!あんな啖呵きったから絶対怒られるぅう」
「ぼ、僕もついていきますから…ね?あの人の怖さは僕もよくわかってますし…。」
「アレンくぅううう゛ん!!!」
やだやだ、と子供みたいに、むしろ子供より酷く駄々をこねながら、
結局私は三人に、地獄の扉へと引きずられながら強制連行された。
***
「それで、何か言うことはあるかしらぁぁ…?」
極寒の世界。
イノセンスを持っていない今の私には、ここは寒すぎる。
今はちょうど、暑いからとエクソシストの団服のコートを脱いできてしまったから、もう冬眠しそう。勿論そのまま凍死逝きで。
「…何もないです。」
「そうよねぇぇ…ある方がおかしいわよねぇえ…?」
「…えっと、一つだけ、すみませんごめんなさい申し訳ございません。」
謝罪の部分は自分でも驚くほど早口だ。
死ぬほど怖い。ショック死するほど怖い。
「あらぁ…?何の謝罪かしらぁ…私、到底何も理解できないわぁあ…」
「アレンぐぅう゛うぅ゛うん!!!」
アレン君に助けを求めてみたが、アレン君はつい、と目をそらした。
あれ、さっき優しいこと言ってくれたはずなのに。
リナリーちゃんも苦笑を浮かべているし。
唯一顔を青ざめさせてわたわたと心配してくれているのはミランダさんだけだ。
「…次、抜け出したら…包帯でベッドに縛り付けて、二度と出さないわよ…」
囁くような声で脅されて、私はこくこくと頷いた。
怖さで死ねる。
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時