「家族って良いなぁ」 ページ48
「...遊び疲れたさ」
「んだねー」
ぐったりと上段のベッドに横わたるラビ。
私は下段からラビを見上げるように答えた。
あれからゲームセンターの中のゲームというゲームを遊びまくった。
ラビは本当にゲームセンター慣れしていて、ファイティングゲームから音楽ゲームまで何でもござった。
私も一緒に遊ぶよう何度も誘われたけど、とりあえず断った。
だって私リズム感ないんだもん。音楽は好きだけど。
時計を見れば、まだまだ朝っぱだったはずの時間がとっくに夕飯時刻を超えていた。
こんな日常があと9日間続くのか...暇になりそうだな。
作者も途中で書くことなくなるほど長い期間だ...
不意に腹の中が圧迫されるような感じがした。
これは、と思った途端に音も立てずに腹が「くぅ」と鳴った。
私の胃袋の虫は基本鳴かない。無音の鳴き声をあげるのだ。
「...お腹空いた」
「飯でも食いにいくか?」
「立つのめんどー...」
「どんだけ面倒くさがりさ」
思わずツッコまれたけど、既にあと少しで12時間ほど、ずっとこの電車の上でぐらぐらしてきたのだ。
朝から夜までガタンゴトンはかなり疲れることは、来るときに経験済みだ。
あのときは読みたい本がいっぱいあって、読むのに集中していたら時間のながれるスピードがいつの間にか速くなっていた。
だけど今は、一応本はいっぱいあるけど9日間分の量は無いし、何よりラビと一緒だ。
ラビがいるのに一人読書に没頭していては、ラビが可哀想だろう。
「とにかく、とっとと飯食いにいくぞ。 俺も腹減ったさ」
「はぁい」
ラビは添え付けの階段も使わずに上段ベッドから飛び降りる。
私は驚きに思わず目をつむってから、しばらくして苦笑をした。
そして自分もまるで飛び起きるように体をぴょこんと起こした。
「食堂まで遠いよこれぇ...」
「Aがそんな面倒くさがりだったのは驚きだな」
「うーん...不利益なことはしたくないだけ」
「不利益って、これから飯食うんだぞ?お前大食いだっただろ?」
「嫌な言い方しないでくれませんかね。 仮にも乙女ですよ」
「はははっ」
「何故笑うし」
まるで昔からの知り合いのように笑い合い、私たちは3号車付近にある階段へ向かった。
途中で先ほど会った親子連れに会い、しかも母親もセットで。
微笑ましい光景を再び見つめ、彼らも私たちのことを覚えていたらしく会釈してくれた。
「家族って良いなぁ」
思わず呟いた私の言葉に、ラビがしみじみと同意した。
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時