【D.gray-man】 Sorry but Goodbye -Secondo-

「お前、探索部隊に入れば？」 ページ32

「ほら、休憩も足りただろ。 時間足りねーんだから仕事戻れ！」

リーバーさんが合図のように両手を叩けば、ぞろぞろと各々の持ち場へ戻る化学班たち。
休憩が始まって5分も経ってないのに、やっぱり化学班の人たちって大変だなぁ…

一応知り合いの何人かに、「お疲れ様です」と声をかけておいた。
そしたら笑って応えてくれる。

「にしてもお前、地理とか詳しかったんさ？」
「え、いや全然。 むしろ暗記物苦手でつ」
「え、お前今滅茶苦茶すらすら言えてただろ？」
「あれはただ単に、前に読んだ小説に事細かく書かれてただけだよ」

その言葉にラビが、コーヒーの入ったカップを持ったまま固まる。
しかもおまけに口をあんぐりと開け、此方を舐めるように見つめてくる。穴が開きそうだ。

「な、なに？」
「お前って本とか読むんさ…？」
「わ、なんかすごく失礼な質問。 読むよ失礼な…」
「マジで！？」

なんでそんないじめられてるような感じなんだろう。
私がいったい何をしたんだろう。
私がそんなに不真面目に見えるのかな。...いや、見えるかもしれない。

「ちなみに、驚かせる目的で教えるけど、どのジャンルも読むよ。 小説とかはもちろん好きだけど、一番好きなのは知識を与えてくれる類のノンフィクションかな。 一応脳内には雑学系の知識はいっぱい詰まってると自負するよ」
「うわっ、お前誰さ！」
「どういう意味さ！」

つられて同じ語尾になってしまう。
ものすごく馬鹿にされた感じだ。すごく腹立つ。
確かに勉強は苦手だけど、苦手なのは数学とか理解するものだけで、実は記憶力は人一倍あるのさ。
あと想像力もなくはない...と思う。
ただ、一度興味本位で小説を書こうとしたら、継続力が足りずに挫折した。あと、それをクロス師匠に覗かれて大声で読まれて盛大に笑われ、馬鹿にされた。
二度と書かない。

「あ、ちょっとちょっとA！もう一問！ってかこの資料全部イタリアのことだからちょっと手伝って！」
「イタリアのガイドブックなら読みあさりましたから、観光なら手伝えますよ」

うふふ、と変な声を出しながらジョニー君に近づく。
まぁ普通にジョニー君の質問には答えられなかった訳だけど。くっ、屈辱！
でも、レッチェの中の山の部分の名前なんて知ってる訳がない。レッチェンタールって言おうとしたけどあれスイスの谷だった。

「思ったんだけど、A」
「何？ラビ」
「お前、探索部隊に入れば？」

なんと。

「私、死ぬのか…」→←「私が行きたいです」なんて、

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す