「いただきます」 ページ30
「いただきます」
そう告げ、ラビは淹れたてのコーヒーのカップに口をつける。
うわぁ、熱くないのかなと思う反面、緊張が半端ない。
あぁ、緊張しすぎて胃が痛くなってきた。キリキリする。
こくり、とラビの喉が動く。
そしてゆっくりとラビの口からカップが離れた。
うわぁ、なんだこれ。
なんでこんなにスローモーションなんだ。
もう、焦らさないでほしいのね。
ラビの表情からは何も伺えなくて、失敗作か成功作かはわからずにいた。
「…うまいさ！」
「…………………ぅ………………え？」
その言葉を頭の中で理解するにほぼ1分の時間を要した。
むしろ逆に脳内が機能停止していたようで、呆気になった私の顔は多分今すごく不細工。
「…ぶふっ…A、すっげー変な顔してるぞ」
「笑うな知ってるよ。…って、嘘、美味しかった？」
「うん、普通にうまいさ。俺、コーヒーの酸っぱい味が嫌いだったんだけど、これ全然酸っぱさがなくてうまい。なんか雑味がねーぞ、このコーヒー」
淡々とまるでフードコメンテーターのように感想を述べるラビの言葉の後半は、ほとんど頭に入ってきていなかった。
呆然と目を見開きながらただ無言でラビを見つめる。
美味し…い？
本当に？お世辞じゃなく？
失敗してないんだ…？
自然と笑みが口元に広がっていく。
「本当！？」
「ん。嘘つくわけねーだろ」
「…ッ、よかったぁ…」
心からの安堵に、胸を撫で下ろす。
安堵の溜息を惜しげもなく零し、私は自分の淹れたコーヒーを眺めている。
良かった。
良かったよリナリーちゃん。
リナリーちゃんの教育の賜物だよ！
「え、えっと、他にもコーヒー欲しい人はいらっしゃいますか…？」
「あ、はーい！俺俺ー！」
遠慮がちに恐る恐る尋ねると、元気で幼さが残る声が響いた。
あ、この声はジョニー君だ。
「じゃあ俺も」
「あ、はい、リーバーさんもですか？」
「っつか、全員分淹れてやってくれよ。皆、飲みたそうだしさ」
その言葉に、私はハタと動きを止める。
そして顔をあげて、ちゃんと化学班の人たちの顔を見た。
その人たちは、遠慮がちにこちらを覗き見ている。
「…ぁ…」
まるで認められた気がして、嬉しさがこみあげてくる。
…またラビに助けられちゃった。
慌てて顔を俯かせ、はにかむ口元を隠した。
だって、この笑みは絶対しばらく消せそうにない。
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっｗ興奮しすぎじゃき（ 読んでくれてありがとう！少しずつ二人の仲を近づけていきたい！…です（ (2014年5月17日 19時) (
レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお？ついに？ついに？ラビへの思いに気づくか？ (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます！いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします！ (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです！更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です！更新、頑張らせていただきますね＾＾ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年1月12日 15時
