溺愛。[鬼灯の冷徹]

第…183話 ページ5

シャワーから出て髪を乾かしすぐにベッドにダイブし枕に顔を埋める




『…つっかれた』




今日は暇で暇で別に何もやっていない
しかし疲れた





『天探女か…あんな人初めて見た』



ガチャ



『おう､鬼灯おかえ……え"っ!?』



鬼灯は中へ入るとすぐに私の寝転がるベッドに上がり上に覆いかぶさってきた



『え､どないしたの…』

「……疲れました」

『あぁ…昨日からあんまり寝てないよね』

「ん…このまま寝てもいいですか」

『やめてください私潰れます』

「潰れませんよ」

『いーから退けてーー』

「嫌です」

『あーもう…』

「……もし子供ができればこういうことも出来なくなります｡今のうちにさせてください」

『…じゃあわかった､退けてくれたら抱きしめてあげるから』



そう言うと私の上からおりて隣に寝転がる
なので次は私が上に乗る


「…誘ってますか」

『違います仕返しです』

「私の胸あたりに貴方の胸が当たっているのですが」

『そーですかい』

「…はぁ､全く」



そのままぎゅっと抱きしめられる



『…鬼灯､子供欲しいと思う?』

「なんですか急に」

『いや…なんか､欲しいのかなぁって…』

「…Aはどうですか」

『質問私からしたのに…欲しいとは､思うけど…今は仕事が忙しいし…落ち着いたらでいいかなって』

「Aさんに任せます｡…子供ができた時一番大変なのはAさんですから」

『ん､わかった｡…にしてもさ､人と鬼のミックスってどんなんだろうね｡鬼灯は…なんだっけ』

「人と鬼火です」

『それだ｡…どうなるかな､子供』

「…楽しみですね」

『へへ､うん』

「キス､したいです」

『……あ､キイテナカッタ』


鬼灯は両手で私の頬を包んで無理矢理目を合わせる


「キスがしたいです」

『…私からしろって?』


そう言うと黙って頷き手を離す
無視して立ち上がろうとすると次は腕を掴まれた


「…Aさん」

『だーもうわかったよ!!…目､閉じて』


そう言うと鬼灯は目を閉じてくれる
自分からするということはあまりしない､恥ずかしいから

ゆっくり近づき唇を重ねる
そして離すと頭を撫でられ鬼灯は"ありがとう"と言った


『……あ､敬語じゃなかった』

「そうでしたかね」

『そうだったー』


敬語じゃなかったことが嬉しくへへっと笑うとぎゅっと抱きしめられた


「…幸せです」


ボソッと呟くと抱きしめる力を少し強めた




……私も本当に幸せだよ







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