今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:691 hit
小｜中｜大
第6話 ページ7
私は走る。走る。走る。 その後ろで闇が手を伸ばす。 逃げきれそうにもないけれど、バラを掴んで走っていく。
「何なの……一体」
昔から足には自信があった。 だけど此処ではそんな事、まるで関係無い様だった。 距離は縮まる一方で、闇の中では床が崩れていく。
崩れていく。
崩れていく。
崩れていく。
落ちる。
夢中で伸ばした手を掴んだのは、いつか見た白い腕。
『僕のことを忘れているのなら、忘れたままで構わない。だけど、これだけは覚えていて』
頭上で巨大な深海魚が泳ぐ。 そして私の上では、一人の男が私の手を掴んでいる。 ここは、海？
男の肌は白い。雪みたいに白い。 そして髪も。 目は血のように赤く、何処か優しくて、何処か懐かしかった。
『愛しているよ、アセビ。 愛しているよ』
マリンスノウが私の視界を塞いでいく。 そのまま私は、意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悪魔(プロフ) - たけのこご飯さん» ありがとうございます！ (2016年2月18日 0時) (
レス) id: f1c6c4be71 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - 文章の構成とか、ひとつひとつの文がすごくいいと思います！素敵、です！更新、楽しみにしています！ (2016年1月18日 20時) (レス) id: fc18aada40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あくまん x他1人 | 作成日時：2015年10月22日 21時
