【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ6)

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105話　ヤマザクラのようなページ6

貴『何見てるんですか？』

白石「ひぃッびっくりしたぁ〜」

新聞を持ってそう話す白石の横から、ミツキがヌッと顔を出して新聞の内容を見る。

白石「あちこちで子供が消えてるって事件さ…最近だと江別で三人が行方不明…」

アシ「…私達が通った町だ」

貴『えぇ…怖いなぁ…』

そう話していると、海賊が心当たりでもあるのか口を開いた。

海賊「子供の誘拐犯…アイツかも」

杉元「知ってるのか？」

海賊「名前は上エ地圭二。子供を何人もさらっては庭に埋めてた殺人鬼で、顔にいたずら書きみたいな刺青を入れた変な男さ」

貴『…！それって…』

アシ「飴売りだ！！」

海賊「上エ地圭二はもちろん、網走脱獄囚二十四人のひとりだ」

あの時のお洒落な刺青の人が…

貴『おしゃれだったのになぁ…』

海賊「おしゃれ？あれが？」

フンと鼻で笑われ、こちらの顔を覗き込んでくる。
この人いちいち距離が近いんだよな…

アシ「あの飴売り、私達と同じ方向に向かっていたのか…」

白石「どんどん札幌に近づいてる…」

…

その後、ミツキ達は札幌郊外の森へと入った。

アシ「"カリンパニ"、エゾヤマザクラの花が咲いたら鹿の毛が生え変わって肉も美味しくなる知らせだと言われてる」

貴『へぇ…綺麗だなぁ』

こんな人目につきにくいような森の中で花を開かせて、寂しくないのだろうか。
少し暖かい木漏れ日に照らされ、より一層綺麗に輝いて見える。

貴『…って、あれ？アシㇼパさん？杉元さん？』

どうやら先に行かれてしまったようだ。
まあ、あの二人の邪魔をする必要もないだろう。

貴『せっかくだし、ここでくつろぐか〜』

よいしょと腰を下ろし、静かにヤマザクラを眺める。

…

海賊「なあシライシ…信用できねぇのはお互い様だ。でも手を組むなら、情報は何でも共有しないと命をはれねぇだろ？」

白石「………俺だってそこまで信用されてるわけじゃねえよ」

海賊「これを見ろよシライシ」

白石「なんだよこれ…金貨？」

海賊はそう言い、白石に綺麗な金貨を手渡す。

海賊「支笏湖で砂金と一緒に沈んでいたものさ。その刻印…俺たちの入れ墨に似てないか？」

白石「…似てるような似てないような…」

海賊「ああそうだシライシ」

白石「なんだよ」

海賊「ミツキちゃんがなんで金塊に興味無いのについてきてるか、理由知ってるか？」

白石「…さあ」

気になってはいた。
しかし中々尋ねられず聞けずにいたこと。

海賊「……お前といたいからだって」