【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ46)

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145話　未払いページ46

六ヶ月前、札幌にて。

白石「いいお天気ね〜」

貴『…東京へ行く路銀代のためとはいえ、杉元さん達だけに狩りに行ってもらうってやっぱり申し訳ないな…』

ミツキと白石は札幌の街道を歩きながら、杉元とアシㇼパが狩りから帰ってくるのを待っていた。

白石「ま、少なくとも俺達よりは狩りに慣れてるし」

「適材適所ってやつだな！」と、ミツキに向けてニッと笑い、そんな白石をミツキは横目で見つつ小さくため息をついた。

そんなやり取りをしていると、ふと見覚えのある道が視界に入り立ち止まる。
通りの少し先に古ぼけた小さな診療所が見え、ミツキは思わずそちらへ足を向けた。

白石「ん？どしたの？」

貴『…あの診療所、最後に海賊さんと別れたところじゃないですか？』

白石「ん〜？言われてみれば…」

貴『……ちょっと覗いてきてもいいですか？もしかしたら海賊さん、まだ診療所にいるかも』

白石「ん〜…」

ミツキがそう言うと、白石は少し渋い顔をしながらポリポリと頭を搔いた。

白石「あのさ…もうあいつとは関わらない方がいいぜ？」

貴『何故ですか？』

困惑の表情を浮かべながら白石にそう問うが、彼は少し言いづらそうに口を開く。

白石「…だってさ、あいつと関わるとろくなこと…って、あれ？ミツキちゃぁん！待って〜ッ」

ミツキは「ちょっと見てくるだけですよ！」と診療所の方へ一人で駆けて行き、白石はそんな彼女の後を慌てて追いかけた。

…

貴『ここに長髪長身の男の人はいませんでしたか？」

そう尋ねると、看護婦は少し考えた後に「ああ！」と声を上げ大袈裟に両手を叩いた。

看護「あの人少し前に出てったわよ。治ってきたと思ったらいなくなったの！」

貴『いなくなった？』

看護婦は困った様子で頷く。

看護「ところで、あなた達彼のご家族か何か？もしそうなら、あの人未払いのまま出てっちゃったから治療費を請求しなきゃなんだけど…」

貴『…へ？』

看護婦の言葉にミツキは目を丸くし、思わず間の抜けた声をこぼしてしまう。

貴『ち…治療費…」

ミツキが困ったように口籠もっていると、白石が後ろからヒョイっと顔を出す。

白石「えぇ？未払いのまま出てくなんて酷い奴だな！ねえ？ミツキちゃん！」

貴『はあ…』

突然白石が割り込んできたことで困惑の表情を浮かべるミツキと看護婦に、彼は慣れた調子で話を続ける。

白石「俺達そいつを探してんだよ。見つけたらついでにちゃんと払えって言っとくぜ？ね？ミツキちゃん！」