【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ31)

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130話　感謝ページ31

貴『…… はぁ〜 …… きっつ …』

ミツキはその場にへなへなとへたり込んだ。

「……！！…ッ」

遠くから叫ぶ誰かの声が、ぼんやりと耳に入ってくる。
なんとか声のする方へと振り返る。

白石「ミツキッ」

貴『…！白石…さん…ッ！？』

馬に乗った白石と杉元、アシㇼパがこちらへ向かってきていた。
さっきの作戦はどうなったのだろう？
失敗してしまったのか？
疲弊した頭の中で、そんな事をぼんやり思う。

白石「掴め！！」

パシッ

ミツキは馬が横を通り過ぎる瞬間白石の手を掴み、彼の後ろへと乗った。

…

貴『！あれは…ソフィアさん！！』

アシ「ソフィア！！ここから脱出するぞッ」

白石「どうした早く来い！！乗れッ」

馬に乗るよう言われるも、ソフィアは首を横に振り乗ろうとしない。

杉元「負けて逃げるんじゃない！権利書を守るために引くんだ！立て直そう！！」

白石「…親分が真っ先に逃げられないってことだろ」

貴『ソフィアさん…』

ソフ「早く行け、ここ止める。アシㇼパ安全な場所へ。
ミツキ！ユルバルス助けてくれた、ありがとう」

貴『…！！』

ソフィア…

あの時どこかで見ていたんだ。
あの日以降彼とは会えていないが、きっと共に戦ってくれているはず。
彼女たちならきっと大丈夫だ。

ミツキはひたすらそう自分に言い聞かせる。

ソフ「アシㇼパ！ウイルクの愛する娘！！
でも…未来はあなたが選んで！！」

アシ「…！！」

ダァンッ

杉元「アシㇼパさん！！」

後方から兵士に杉元とアシㇼパが乗る馬を狙撃され、アシㇼパは橋から落下してしまう。

杉元「谷垣源次郎！？なんで…」

前方から来ていた谷垣はすんでのところでアシㇼパの矢筒を掴み、アシㇼパを自身の馬に乗せた。

谷垣「いいから走れッ」

…

それから暫く走り、ミツキ達は五稜郭からどんどんと離れていく。

白石「まだまだ追ってきてるぜ…」

杉元「この馬だって永遠に走れねえ…いづれ追いつかれちまう」

土方「よし！ここらで迎え撃とう」

貴『へ？ここで？』

アシ「駄目だッもう戦わずにこのまま走って！向こうの馬だって走り続けられない！」

牛山「おい！あれはどうだ！？」

そんな中、牛山がそう言って指を指した先を見る。

貴『！汽車？』

谷垣「函館駅行きの汽車だ！」

そうして一行は汽車の横につき、外側の通路へと乗り込んでいく。

アシ「杉元も峰山も、傷は大丈夫なのか？」

杉元「…これくらいどうってことない。峰山の傷を見た方がいい」