【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ26)

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125話　残りの金塊ページ26

アシ「金塊の使い道は、森のある土地を買い占めるしか無いって。
戦うことなく、アイヌを守る方法はこれだけだって。

災厄をもたらすと言われた黄金のカムイは…私たちが本当に必要とするカムイに置きかわっていたんだ！！」

ズドォン …

牛山「…ガッカリしすぎて腰抜けた…」

貴『アシㇼパさん…良かったですね…！』

アシ「……ああ！」

皆がショックでズッコケる中、感動したのかミツキはアシㇼパの手を硬く握りそう言った。

永倉「鶴見中尉たちが来る予想時刻まで、あと二時間程度…今すぐ撤退だ！！」

白石「…涙で前が見えない…歩けない…」

杉元「しっかりしろシライシ」

貴『せめてこれで…』

白石「……ｱﾘｶﾞﾄ…」

ミツキがハンカチで白石の涙を拭いてやっていると、なにやらアシㇼパと土方が冊子の内容について話しているのが聞こえる。

土方「…半分しか使われてない」

貴『…？』

白石「え？」

土方「榎本武揚に引き渡された金塊は"九千九百貫"と書かれている。のっぺら坊が私に伝えた量は"二万貫"だ」

そう言って土方はアシㇼパに冊子の内容を見えるよう手渡した。

貴『えっと……つまりそれは…』

白石「まだ一万貫ちょっとの金塊が残ってるってこと？」

金塊が残っていると知った途端、白石は兵糧庫から外へと飛び出していった。

白石「金塊はまだ半分！！どこかにあるんだあ！！」

アシ「落ち着けシライシ！！」

ド … オ … ン …

白石「ギャーッ」

貴『！？白石さん！！』

何か重い音があたりに響くと同時に土煙があがり、白石は危うく吹き飛ばされかける。

貴『一体何が…？』

杉元「鶴見中尉たちか？」

アシ「でも早すぎる！！」

牛山「海の方を見ろッなんか飛んでる！」

そう言う牛山の言葉通り海の方を見上げると、空の真ん中にポツンと軍用の気球が浮かんでいた。

杉元「…ってことは、今のは艦砲射撃ってことか！！あいつら駆逐艦で来たんだ！！」

牛山「一旦建物の中に入れ！」

貴『白石さん、立てますか？』

白石「…っああ」

ミツキは白石に肩を貸し、牛山達の後に続いて兵糧庫へと戻った。

土方「奴らは艦砲射撃で炙り出されてくる者を待ち構えている。三箇所の出口…橋の向こうに兵士が大勢隠れているはずだ」

杉元「出口の三箇所以外なら包囲網は薄いかも」

アシ「それなら尚更…今のうちに逃げたほうがいい！」

それまで黙って話を聞いていた白石が「待て！！」と突然声を上げた。