【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ13)

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112話　好きページ13

貴『アシㇼパさん後ろへ！！…へ？』

ズドンッと目の前の酒樽達が押され、その衝撃で中のビールが勢いよく溢れ出した。

貴『…っんぐ…ご…ぼ…っ！！』

う…さすが札幌ビール…質が良い…！

アシ「杉元ッ峰山ッ！」

白石「なんだ？…！わあーッ！！」

そんなこんなで一同はビールの川に流されてしまい、ミツキだけ彼らから逸れてしまった。

貴『ひっく…あえ、しらいしぃ？』

白石「ミツキちゃん！杉元達はどこに流されたんだ？」

貴『うぃぃ〜…あっち〜』

そう言うミツキの指差す先にあるのは薄汚れた天井のみ。

白石「……おいでミツキちゃん、外出るよ」

白石はビールにまみれた床でのびてるミツキを引っ張り立ち上がらせ、肩を貸し出口まで歩かせる。

貴『う〜ん…しらいし…さん…』

白石「なぁに？」

貴『…好きぃ…』

白石「……そーゆーのはしらふの時に言ってくれよぉ…」

…

「蒸気ポンプ準備急げ！！」

「放水！！延焼を食い止めろ！」

白石とミツキが外に出ると、どうやら工場から火の手が上がっていたようで、あたりには消防組の人々と野次馬で騒然としている。

貴『…もえてたんだ…』

白石「杉元達は出てきてないのか…？」

工場から燃え盛る炎があたりをユラユラと照らす。
不謹慎ながらも、先程見た花火とはまた違う美しさを感じた。

上エ「暗号はもう解けないよ〜！！」

貴『…！おしゃれな入れ墨の人だ…！』

白石「…ん？」

上エ「金塊は誰も手に入れらんないもんね〜〜！！」

上エ地は工場の煙突の頂上へと登り、入れ墨まみれの体を皆に見せつけてそう叫んだ。

貴『？あの人気付いてないんですかね…？』

白石「さあな。ほっとこうぜ」

貴『…けど、あんなところにいたら──』

─落ちてしまう。
そうミツキが思ったと同時に、上エ地は煙突から足を滑らせ落下してしまう。

貴『ひ…っ』

ふわりと目をあたたかい何かで覆われる。
何も見えぬ視界の中、パァァンと何かが硬いものに叩きつけられるような凄まじい音があたりに響いた。

白石「派手に落ちたなぁ…大丈夫？」

貴『……はい…』

なんとも言えない気分の悪さを心の内に仕舞い、視界を覆っていた白石の手をどかす。

土方「全員すみやかに撤収だ！！」

貴『！土方さん達だ…！』

白石「待ってくれ！！杉元たちを見失っちまった！！」

牛山「杉元ならあの建物にいたのを見たぞ」

貴『早く助けないと…！』

そう言い指差された方の建物へと二人は急いだ。