【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ12)

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111話　タマヤページ12

そう息を荒げて言う背後の男がミツキの尻へと手を伸ばす。

ゴッ

貴『…どうです？』

杉元「…こいつじゃない」

杉元が男の頭を殴り服を脱がせるも、そこには刺青の無い肌しか見えない。
杉元はアシㇼパに違うことを合図し、再び陰に隠れた。

…

「お嬢さん…綺麗な髪してるね…」

ガッ

杉元「…違う」

…

「可愛いね…おいくらかな…？」

ドッ

杉元「…こいつも違う」

その後も何度かミツキのオトリに男達が引っ掛かるも、どれも一般人であった。

貴『ふぅ…』

中々引っ掛かってはくれないか。
思うようにはいかないなぁ。

そんな時──

ド … ン … ッ

貴『あ！』

打ち上げられた花火の光に、闇夜が眩しく照らされる。
ミツキは袴の上から着ていた着物を脱ぎ捨て、隠していた刀を拾い上げ杉元達の後を追いかけた。

白石「花火が上がった位置は"牛山組"の持ち場だ！！」

杉元「急げッ門倉とキラウㇱが頼りねえから犯人を逃がすかもしれねえ！！」

貴『牛山さんなら大丈夫だとは思うけど…』

ドォンッ

貴『へ？』

杉元「え？」

白石「どうなってんだ…？」

二度目の花火が空高く打ち上げられた。
向こうは確か…

貴『土方さん達の方…！』

…

キラ「あ！！杉元ニシパ！」

杉元「キラウㇱか？」

"牛山組"側を通って"土方組"へ向かっている途中、キラウㇱが声を掛けてきた。

貴『牛山さんたちはどこに？』

キラ「工場の中だ！！」

白石「よっしゃ！行くぜ行くぜ！！」

そう言って工場の割れた窓から杉元とアシㇼパが突入していき、ミツキもその後に続く。

キラ「あ…！！相手は兵隊が五人だぞッ」

白石「エーーッ！」

…

「杉元！！ミツキちゃん！！ちょっと待てッ第七師団が…」

貴『！白石さんの声が聞こえる』

アシ「…！」

しかし振り返って辺りを確認するも、白石の姿は見えない。

貴『いない…』

アシ「杉元、白石とはぐれた」

杉元「……シライシ？」

貴『…！』

ミツキはその名前に反応し、杉元の視線の先にある人影を睨む。

貴『あれは白石さんじゃない…！』

二階「杉元ォ…！！」

異様な物を頭に被った男が杉元の名を叫ぶと同時に、杉元達の真横にある酒樽の間から鯉登が現れ、杉元へ軍刀を勢い良く振り下ろす。

貴『…！？これは…』

杉元「…ビール！？」

しかしぎりぎりのところで身を躱し、振り下ろされた軍刀は杉元達の後ろにあった樽を斬りつけた。
斬りつけられた酒樽からはドバドバとビールが勢いよく噴き出す。