【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ11)

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110話　オトリ作戦ページ11

白石「まさかお前、本当はこの事件を解決させた手柄で"あわよくば"って魂胆だったのか？」

石川「だって花魁は…！！大金積んでも好かれないとヤレないんですよ？」

永倉「あ〜あ…死んでバッタに生まれ変わればいいのに」

貴『白石さんはやっぱり詳しいんですねぇ…そういうの』

白石「う…うふふ…」

永倉とミツキの冷え切った眼差しが、石川と白石に深く突き刺さった。

…

土方「"街娼に扮したオトリ役"と、オトリを守り犯人を斃す"仕留め役"、
そして他の部隊に犯人が現れたことを伝える"合図役"。合図は花火を打ち上げる」

そうして計画を練り、オトリ役の一人としてミツキも選ばれた。

貴『…刀持っていけないのは辛いなぁ…』

白石「大丈夫、なんかあれば杉元が仕留めるからさ」

そんなことを話していると、アシㇼパ達の会話が耳に入る。

アシ「…うるさいなお前は。人に夢ばかり聞いて」

海賊「参考にしたいのさ。"王様になって家族をたくさん作る"以外にもっと良い方法があれば、そっちに舵を切る」

貴『…』

この人、また夢の話してたのか。
そんなことを思いながら、静かに話を聞く。

海賊「俺はひとりになったとき、ここで自分も死ねば祖母や両親や兄弟の記憶も一緒に、この世から消えてしまうって気がついて…たまらなく寂しくなった。

俺の子供たちが、そのまた子供たちに自分のことを伝えてくれる。後世まで俺のことを憶えてて語ってくれる人がいたら、幸せだなって…」

月夜に照らされながらそう話す海賊の表情には、見る者を惹きつける何かがあるのか、ミツキは目が離せなかった。

…

その後、それぞれ街娼に扮する為華やかな着物を身に纏い紅をつけた。

貴『いつもの括り袴じゃないと落ち着かないなぁ…』

白石「お、着替えた？ミツキちゃ…え゛っ…うわぁ…」

貴『え…？そ…そんなに酷いですかね…？』

明らかに動揺する白石の反応に慌てるミツキ。
違う。"酷い"とは真逆なのだ。
しかし誰もそれを口に出来ない。

杉元「普段の化粧とはまたえらく雰囲気が違うな…」

貴『？いつも化粧なんてしてませんが…時間かかりますし』

「は？」

たしかによくよく考えると、今までミツキが化粧を直すところを見たことも聞いたこともなかった。

白石「と…とにかく、準備は完璧だな」

…

ザ … ッ… ザ … ッ

貴『…！』

背後から聞こえる、地面の土を踏む足音。

来た…！

「あんた…若いね？尻で分かるよ…良い尻だ…」