【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ31)

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80話　赦されぬ罪ページ31

母「…私だって悪気があったわけじゃないのよ。お兄ちゃんが貴方にしたことだって、男の子なら仕方ないでしょう？
女の私にどうしろって言うのよ、今更そんな昔のこと気にして…」

貴『それだけじゃないッ！！あんたが私に言ったこと何一つとして覚えてないんか！？忘れたんかッ！？』

ミツキは母の胸ぐらを掴んで地面へ思い切り押し倒し、彼女の上へ跨る。

母「やめて！！気でも狂ったの！？」

貴『あんた…ッ…なんにも変わってない…！どんだけ脳みそ腐ってたらそんなこと言えるの…ッ！？私だって！！
私だって……血ん繋がった娘やったんに…ッ』

母の上でボロボロと大粒の涙を零しながらも、ガクガクとどうしようもなく震える手で刀を鞘から抜く。

母「…！！」

この時のために、私は刀を土方さんに教えてもらっていた。
この瞬間の為だけに。
頑張れ、もう少し。

貴『縁、切るんでしょ…？お前のお望み通り、こんな腐った縁…真っ二つにしてやる…ッ！！』

母「…ッ！！きゃあ！！助けてー！！」

貴『なッ逃ぐる気かッ！！』

ミツキの体重では抑えきれなかったのか逃げられてしまい、ミツキも急いであとを追う。

…

貴『待てぇッ！！』

母「きゃぁぁっっ」

逃げる母に追いつき、彼女の着物の衿を掴んで地面に放り投げた。
辺りは薄暗く、日が沈みかけている。

貴『絶対に逃がさん…もしもお前が生きて宮崎に逃げようとも、お前を死ぬるまで追いかけてやる…っ』

そう言って刀を握る手をガタガタと震わせながら、頭上に振り上げる。

杉元「さっきの悲鳴はこの辺か？」

アシ「！あれは…！！」

白石「ミツキちゃん…と、そのおかあさん？あんなとこで何して…」

振りかざされる刀が、月夜に煌めく。

杉元「！！峰山！その人に何してる！？」

貴『…っ！！？』

貴『！杉元さん…！？』

母「助けてぇぇっ！！こいついかれてるっ！！」

杉元がミツキを後ろからガッチリと抑え、刀から離させようと手を伸ばす。

杉元「峰山！刀から手を離せ！！」

貴『…っいややぁっ！！離せぇっ！！いやや！！殺させてくんない！
こん場でこいつん息ん根を！わしに止めさせてくんないっ！！』

杉元「ぐ…っ！すげぇ力だ…ッ」

アシ「いったい何があったんだ…！？」

こんなにも取り乱した様子で泣き喚くミツキは、今まで一度も見たことがない。
あまりのことに杉元以外の者は動けずにいた。

白石「あの人はミツキちゃんのおかあさんだ！」

アシ「！なに…！？」