【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ4)

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53話　偽物ページ4

看守「何だお前ら！」

外に出てさっそく見廻りをしていた看守達に見つかってしまうも、杉元達は速やかに仕留めた。

白石「都丹、てめぇ耳くそ詰まってんのか…！？」

杉元「聴き逃してんじゃねぇよ馬鹿野郎…！」

都丹「てめぇらこそランプの光見逃してんじゃねぇか…！」

言い合う杉元達をミツキとアシㇼパが静かにするよう注意する。

その後キロランケ達が倒れた看守達を運んでいくのを見た後、ミツキ達は先を急いだ。

…

都丹「…ここだ」

貴『…ここが…あの五よくほうしゃ…し…しゃぼ…』

白石「ミツキちゃん、無理して言わなくていいから…。
…全ての窓には鉄格子がはめられているが、唯一鉄格子のない窓がある。
天窓さ。侵入できる場所はここ以外ねぇってことだ」

アシㇼパの弓矢を打つことで天窓に登るためのロープを掛けてもらい、五人は屋根に登る。
そうして屋根の一部を切り、体にロープを巻きつけ中に侵入した。

"第六六房"と彫られた文字。この部屋だ。

白石が房の鍵穴に何かを差し込み、鍵開けに成功。
アシㇼパに先を行かせる。

アシ「……アチャ？
私だ、アシㇼパだ。小樽から会いにきた」

貴『暗すぎる…』

杉元「白石、マッチを」

白石がマッチを擦り、火をつける。

その瞬間、顔の皮を剥がれた男は、凄まじい声量で奇声を上げた。

アシ「…！ちがう……アチャじゃない…」

その男の瞳は黒く、アシㇼパとは似ても似つかないものだった。

その時、男の奇声でバレたのか発砲音がした。

門倉「侵入者だ！」

杉元「門倉…！！」

貴『まずい…』

とにかく急いでアシㇼパだけでもと、彼女を天窓へと見送った。

白石「こいつがインカラマッちゃんが言ってたキロランケの仲間ってことなのか…？」

貴『そうは見えないけど…』

杉元が男に銃口を向け問いただすと、首を横に振った。

やられてしまったということか。

けたたましい警鐘が辺りに響く。

貴『チッ…騙されたみたいですね…』

白石「こいつは替え玉ってことか…まじかよ、そこまでする？杉元、どうするんだよ？」

杉元「逃げるしかねぇだろ！ここから脱出する方法を考えろ、脱獄王！」

白石「…！」

その時、大砲の音と地響きが起きる。

貴『…大砲の音…！？』

杉元「…！白石、何やってんだ？」

白石「全ての監房の床下には…通気の為の狭い空間があるんだ…」

そう言いながら白石が床をノコギリで切っている間、偽のっぺらぼうがしきりに叫んでいて騒がしい。