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第二十八話 ページ30

「…いいにおい…。」

眠る少女の鼻を何かの匂いが刺激した。

香ばしく、甘く、様々なにおいが漂ってきた。

「…ここから…。」

ふらふらと歩けば一つの扉の奥から匂いが漂っているのがわかった。

ゆっくりとドアノブに手をかけ扉を開く。

扉の奥にはお菓子や料理、笹などを準備している探偵社員達の姿があった。

「…。」

少女はその光景にぽかんとしていた。


「あ、Aちゃん!?

 どうしようまだ準備終わってないのに!」

少女を見た敦は慌てだした。

「いいじゃないか、もう大方終わってるんだし。」

「そういう乱歩さんはずっとお菓子しか食べてないけどねぇ?」

「僕はAが食べられるかどうか調べていただけだよ!」

「はいはい。」

「はい、Aちゃんの分の短冊ですわ。」

ナオミは少女に近づき一枚の短冊を渡した。


「…これをどうするの?」

「お願い事を書くんですよ、叶えたいお願い事、将来の夢など。

 もう皆は書き終わったのであとはAちゃんだけです。」

「……向こうで書いてくる。」

そう言うと少女は一旦部屋を出た。


数十分ほど時間が経ち、少女が戻ってきた。

「どんなお願い事を書いたの?」

谷崎が訪ねる。


「…ないしょ。」

少女は小さな声で言うと笹の葉に短冊を飾り付けた。


「叶うといいね。」

「うん…。」


その時少女はうっすらと微笑んだ。

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にゃあめ - やつがれ君分かってて渡したのか……推し優しすぎだろ………すきぴ (2021年2月11日 20時) (レス) id: bcb659b3e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - いえいえ (2019年8月21日 17時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ごごねこ(プロフ) - 黒薔薇さん» アアアアアア!ありがとうございます!ですが描きなおしたのが勿体ないのでこのままにします!ごめんなさい!!!!!! (2019年8月21日 16時) (レス) id: 62117aa9f8 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 『http://uranai.nosv.org/uploader/common/2/e/4/2e42882cc29720f8f1d22c4dd5fa2317.png』 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 勝手に保存しちゃってごめんなさい (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:午後の猫茶 | 作成日時:2016年6月29日 0時

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