第十四話 ページ16
夕食も食べ終わり、風呂へも入り終わり就寝しようとする三人。
「さあ眠る時間ですよ。」
「…。」
布団へ入るようにぽんぽんと布団を叩くナオミだが少女は入ろうとしなかった。
「あら、どうかしましたか?」
「潤一郎は…?」
「僕はもう少し仕事の整理をしてから寝るから先に寝てていいよ。」
別の部屋からひょこっと顔を出す谷崎。
「…。」
谷崎が寝ない理由を聞いても少女はまだ布団に入ろうとはしなかった。
「まだ気になることでも?」
「…襲撃とか…あったら…ナオミと潤一郎が…。」
「…そんなこと気にしていたんですか?」
くすくすと笑うナオミにきょとんとする少女。
「武装探偵社は襲撃には慣れっこです。
それに…。」
「それに…?」
「武装探偵社はAちゃんを全力で守りますわ。」
「…。」
少女は思い出していた。孤児院で先生や子供達に言われたことを。
“お前のせいだ!”
“早く出ていけ!”
“お前など守る価値もない。”
“早く死ねばいいのに”
石を投げられ、衣服は破り捨てられ、食料はろくに与えてもらえず。
“いい子”じゃないときは粛清という名の暴力を受けた。
なんでそんなに優しいの…?
なんで守ると言ってくれるの…?
少女にはわからなかった。なぜ見知らぬ人達が自分を守ってくれるのか。
ポタッ…。
少女の目には一粒の涙。
「Aちゃん…。」
「わからないの……ここが…きゅーって……。」
自分の胸をつかみただ涙を流す少女。
「それは嬉しいって気持ちですわ…。」
ナオミは少女を抱きしめた。
その光景を見ていた谷崎は微笑み、そっと部屋の扉を閉じた。
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にゃあめ - やつがれ君分かってて渡したのか……推し優しすぎだろ………すきぴ (2021年2月11日 20時) (レス) id: bcb659b3e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - いえいえ (2019年8月21日 17時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ごごねこ(プロフ) - 黒薔薇さん» アアアアアア!ありがとうございます!ですが描きなおしたのが勿体ないのでこのままにします!ごめんなさい!!!!!! (2019年8月21日 16時) (レス) id: 62117aa9f8 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 『http://uranai.nosv.org/uploader/common/2/e/4/2e42882cc29720f8f1d22c4dd5fa2317.png』 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 勝手に保存しちゃってごめんなさい (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午後の猫茶 | 作成日時:2016年6月29日 0時