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クレハ「…のう兄者。トウカさんはもしや、ポケモンと話せるのかの?」
コウハ「ふむ、良い質問だねクレハ君。」
きのみを盛りに盛った皿をオウハが差し出すと、ムーランド、ウインディ、トウカに囲まれたチルタリスは少しずつ口にし始めた。
安心したらしく、オウハは一息吐くとまた元の位置に戻りその様子をトウカと共に見守る。
その二人と三匹の聞こえるか聞こえないかの距離と声で、クレハとコウハがこそこそと話す。
コウハ「ぶっちゃけ結論から言うと、あいつはポケモンと話せる。それはもう話せる。なんたって、話せる。」
クレハ「なんと…!それは凄いのう…!」
コウハ「…それにここだけの話、あいつの家は金持ちだ。家が運輸業をやってるからな。」
クレハ「設定盛ってるのう…!」
コウハ「そんな事言わない!…でも、どこぞのアニメの主人公みたいな奴なんだよ……」
クレハ「輝いて見えるのう…!!」
トウカ「…オウハ、心做しかやけにキラキラとした目線を感じるんだが…」
オウハ「気にしなくて大丈夫よ。」
コウハ「…うわっ。」
クレハ「?兄上?」
暫くして、コウハが何かに気付き思わず声を上げた。
コウハ「あれ、ユズリハ……」
クレハ「……およよ……」
変わって、今度彼らの目に映っているのは無表情のユズリハ。ムーランドの隣に移動したそばから離れられて、軽くショッキングパーティ中らしい。
ユズ「……や、別にショックは受けてない。」
コウハ「分かるって、俺も汗かいたままエルに特攻しようとしたら全力で逃げられるもん。」
ユズ「それは普通に嫌がられてるだけ…」
コウハ「泣きたい時は泣けよ、な?」
ユズ「日本語が通じない。」
オウハ「あんた達さっきから何やってるのよ……」
コウハ「ぅぅん、何でも無いょ。」
オウハ「………」
トウカ「楽しくて良いじゃないか!」
コウハがユズリハの方に寄りマフラーで遊び始めた途端、場の賑わいが取り戻され始めた。
全て完食し切ったチルタリスを一度撫でた後ボールに戻したトウカは、大袈裟に肘をついて笑う。
トウカ「やはり兄弟が多いと楽しいね。ポケモンも多いし、年中賑やかにしてそうだ。」
オウハ「愚弟がうるさくしてるだけよ。」
コウハ「もぅマヂ無理。」
オウハ「やめなさい。」
あはは、とまた一層大きく笑うトウカに、今度は少し静かにしていたクレハがおずおずと近付いてきた。
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時