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ビリビリとした不思議なものが身体中を走った気がした。
クレハは驚きに満ち、思わずびくりと肩を揺らしてトウカをじっと見つめた。
トウカ「…ん?居ると思ったんだけど……」
トウカは至極心外そうに顔を顰める。
が、その瞬間ガタンと大きな音が聞こえて、僅か数秒後には家の戸が開かれた。
コウハ「フジだ!!!」
クレハ「うぇ?」
出てきたのはコウハ。しかし彼が叫んだ名らしきそれは、”トウカ”とは違ったためまたクレハの疑問の一つと化した。
続いてオウハも顔を覗かせる。
オウハ「あらトウカじゃない!久しぶりね!」
クレハ「うぇ?」
今度は”トウカ”だった。益々疑問は募る。
もっとも、最大の疑問は姉と兄、そしてトウカが面識があったという事だが。
トウカ「やぁ、久しぶりだねオウハにコウハ。元気してるかい?」
コウハ「おー、変わらずな。フジはいつ戻って来たんだよ?」
トウカ「ふふ、今朝だよ。」
オウハ「それなら迎えに行ったのに……」
トウカ「ちょっと驚かせてみたくなってね。あと、君達の妹さんがここまで連れてきてくれたよ。」
すっとトウカがクレハに顔を向けた。途端に姉兄からはおかえり、と言葉が飛んでくる。
オウハ「流石はあたしのクレハ!お客様に案内が出来るんだもの!それに可愛い!最the高!!」
コウハ「始まったぜ。…まぁ立ち話もなんだ、二人とも中に入れよ!」
何やら嬉しそうに頬を緩ませるオウハの隣で、コウハは中を指差し入る事を促す。
クレハ「ちょ、ちょっと待って欲しいのじゃ!…トウカと兄上達はお知り合いじゃったのかの?」
やっとの思いでそう訊いたクレハの質問に、兄はさらりと答える。
コウハ「あぁ、フジは俺とサクラさんの幼なじみだぞ?……あ、もしかしてクーは面識無かったんだっけか?」
クレハ「幼なじみ!!」
オウハ「ユズは知ってるから、てっきりトウカだと分かってて連れて来てくれたものだと…」
クレハ「初めましてじゃよ!!」
そんなやり取りをする横で当のトウカはくすくすと笑う。
そしてクレハはある事に気付く。
クレハ「…む、兄上達の幼なじみという事は………?」
コウハ「………フジは17歳だぞクー!」
クレハ「と し う え ! !」
クレハの中に、ガンッ、と鈍い何かが響いた。
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時