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とは言ってみるものの僕の方は一切思い付かない。引き続き違ったものを考えてくれているのを前に僕も何とか考えを巡らせてみた。
しかし今思えばあの子の事だから、何でも喜びそうな気はする。かといって適当なのにするのは違う気がするが。
…いつも何あげてたっけな。記憶を辿っても何故かよく本気バトルを強いられていた事ばかりが思い出される。
ユズリハ「…でも、アクセサリーは良いかもしれない…それだと流石にセクハラには……」
ミスズ「!やっぱりそうッスよね!やー、自分も良いと思ったんスよ〜!!」
すぐに照れくさそうに大袈裟に笑うミスズに思わず僕も笑ってしまったが、ついに品が決まったかという丁度その瞬間に、携帯に届いたメッセージに目を見張ることになる。
ミスズ「?ユズリハさん、何か?」
ユズリハ「あ、いや………」
そしてあたかも呼応するかのように大きく開かれる部屋のドア。
「ミスズ!挑戦者だぞ!」
ミスズ「え、急ッスね!?」
「それが、矢の如き速さでな…ともかく早く来てくれ、俺はもう倒された!」
ミスズ「えぇ……珍しいポケモンでも連れてんスか…」
「や、デンリュウだ。」
ミスズ「デンリュウ?」
「イエスデンリュウ。…いや早く準備してくれ!」
ミスズ「叩かなくても今行くッスから!」
がたがたと忙しなく立ち上がり準備を始めたミスズに、僕も付いて行く、と声を上げた。
一瞬だけ驚いた素振りを見せる彼に、僕は平然として席を立ちコジョンドにまた部屋を留守にする旨を伝える。
そしてボールを三個持っているのを確認して部屋を一番に出た。
ミスズ「ユズリハさんも行くんスか?」
何とも素っ頓狂な声だなと思いながら目を向けた小さなフィールドモニターには、懐かしい金髪とデンリュウが見えている。僕はマフラーを掛け直して、フィールドへ足を向けた。
ユズリハ「うん。…丁度、その妹が来たみたいだから。」
今日改めて過去を振り返ったが、やはり僕は成年者と言えど未熟。普段の素行も鑑みると、僕はまだ成長途中にある。それにするべき事も伸び代も、山程ありすぎる。
一度考え直したはずだが、恐らくもう一度転機を迎える必要がありそうだ。そしてもっと、ジムリーダーとして、人間としての成長も。
慣れによって、気が緩まっていたかもしれない。
一度入ったなら、責任を果たすまでは逸れられない。きっと僕のジムリーダーとしての道は、これからも続いていくのだろうな。
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時