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ミスズ「なんて言うか……動機めっちゃ無責任ッスね。」
ユズリハ「君結構言うタイプだよね。」
話し終えてミスズの様子をちらりと窺うと、一瞬の迷いを見せた後、まっすぐに率直な感想を述べられた。
言われなくても自分で嫌という程分かっている事実なのだから、だからこそ敢えて言わないで欲しかったり。
ユズリハ「…分かってるよ、最初はただのエゴだった。今まで通りひっそり暮らして居たかっただけなんだけど……まぁ、それもこれも全部僕が弱かったから。」
ミスズ「はぁ……」
ユズリハ「容易に踏み込んで良い世界じゃないのに、僕のエゴでいろんな人に迷惑掛けたのは分かってる。」
ミスズ「…だからまた勉強したんスか?」
ユズ「……それもあるかもね。」
僕は立ち上がり、お茶を二人分入れた。お礼を軽く言うミスズの声を背後に聞きながら、僕は小さな溶けやすい氷を片方に落とす。
ユズリハ「…でも、今結構楽しめてるから…別段なりたかった訳じゃないけど、少なくとも後悔はしてないかな。」
ミスズ「なるほどッス…」
ユズリハ「はい、もうこれで充分でしょ。」
僕は持っていた二つの湯呑みを置いたのを境に、違う話題を切り出した。
ユズリハ「話変わるけど、君、姉妹は居る?」
ミスズ「?姉が二人居るッスけど…」
ユズリハ「そう。」
一口だけ熱いお茶を啜り、僕は本題を口にする。
ユズリハ「実は今日、妹の十八の誕生日なんだけど…プレゼントをまだ買えてなくてね。丁度姉が居るみたいだし、君は何が良いと思う?」
ミスズ「これまた難しい問題ッスね…」
今朝気付いてずっと心の隅に置いてある疑問だが、未だに解決出来ていない。姉が居るというのなら、何か良い案が聞けそうだと思った。
ミスズ「ていうかユズリハさん意外にマメッスね。自分姉ちゃんにプレゼントなんて買った事無いッスよ!」
ユズリハ「…まぁ、姉兄がそういうのにテンション高いから。」
ミスズ「……だいぶキャラ違うみたいッスね。」
ミスズはうーん、と少しく仰け反りながら数秒考えた後、何か思い付いたように表情を明るくして人差し指をたてた。
ミスズ「服とか、アクセサリーとかどうっスかね!似合いそうなのを選んであげれば実用的ですし失敗は無さそうッス!」
ユズリハ「え、セクハラにならない…?」
ミスズ「ユズリハさん重いッス。」
ユズリハ「…悪かったね。」
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時