【オリジナル】Milky Princess -彼女達の甘い秘め事-【GL/短編】 (ページ26)

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[猫の日企画]彼女なりの誘惑　※微裏注意ページ26

「ん…。あ、ひなちゃん。」
「おはよ、凜。」
他の所では夕飯の時間に、凜がやっと起きてきた。
寝惚け眼をグーの手でごしごし擦る様子に少しの違和感を感じる。
「凜、今服着てる？」
「え？えっと…、ん。」
布団を除けた先に見えたものは、
下着以外何も身に纏っていない彼女の姿だった。

「ひなちゃんと付き合い始めた頃に買ってみたの。
フリフリしてるのが可愛くて好きなんだ。」
一般的に＜ベビードール＞と呼ばれるその下着は、
元々幼い印象の凜の魅力を扇情的に際立たせていた。
…って、そうじゃなくて。
「風邪引いちゃうよ？」
「私ばかだから引かないよ。」
「こら。自分で言わないの。」
「それに、猫ちゃんは服なんか着ないもん。」
…猫？
「凜は猫じゃないでしょ？」
「今日だけだよ。今日だけはひなちゃんの猫ちゃんになりたいの。」
突っ込みたい事は沢山あるが、まずは服を着て貰おう。
このままだと色々と問題がある。
「ほら、これ着て。寒いでしょ？」
「…やだ。
ひなちゃんに見せたくて着たのに。」
途端に下唇を噛み、泣きそうな顔を浮かべる彼女。
「可愛過ぎて目のやり場に困るの。
ちゃんと凜の事を見たいから着て。」
「じゃあ、ぎゅーして。
ぎゅーなら私の事見なくて良いよね。」
あのねえと言い掛けて留まり、代わりにそっと彼女を抱き締めた。
密かに高鳴っていた私の心臓が、更に律動を速める。
「…ふふ。ひなちゃん赤くなってるにゃ。」
ベビードールの魔力と普段の凜の雰囲気に似合わぬ甘い表情のせいで、
今の彼女が大人の色気を堪えている様にも思わせる。
「本当、反則。可愛過ぎるよ。」
首筋に吸い付けば、彼女の息を呑む声が聞こえた。
甘い声が交じり出した頃に口を離す。
見ると首筋には小さな紅い花が一つ咲いていた。
「キスマーク付けちゃった。首輪の代わりだよ。」
「首輪…？」
「今日だけは私の猫になるんでしょ？」
そう言うと彼女は、顔を赤らめながら微笑んだ。
「…嬉しいにゃ。もっとちょーだい。」
「もっとはダメ。それ以上は卒業してからの約束だからね。」
「思ったより長いお預けだにゃ。
じゃあ、なでなでして欲しいにゃ。」
まあ、それ位なら。
頭をそっと撫でると、彼女は嬉しそうに私に自分の体を擦り寄せてきた。

どんな事にも消極的な彼女は、私に甘える時にも勇気がいるらしい。
せっかくその気になっているんだから、ちゃんと応えてあげないと。
だから私は可能な限り彼女に応える。
同じ様に、同じ程に甘えて欲しいから。