恋愛初心者。【銀魂】

#24 銀時side ページ25

.



.



「あー。何だかなぁー」


「どうした銀時。
何をそんなに不満気にしておるのだ」


いやぁーだってさ。

パーカー着ててもわかるんだもん。

……胸、でけぇよ。


絶対Dはあるな。


「うっせェ。黙れヅラ」


「ヅラじゃない!!桂だ」


飽きたよそのツッコミ。

つかその長髪暑苦しいんだよ。


.


「あいつ、てめェの女か？」


「んァ？なんだ高杉。悪りぃかよ」


”お前にはやらねぇぞ”と言えば
”ケッ、つまんねぇ野郎だなァ”と返ってくる。

こいつは要注意だ。

昔から女の趣味が似てるし。


「金時は独占欲が強いきぃ、無理じゃろ。
だから一晩だけ…」


「ダメだっつってんだろうがァァァ！！
俺だってまだなんだぞ！」


「あははは、あははは。釣れないのォ」


ったく、どいつもこいつも油断できねぇぜ。


.


.


海風につられてふと浜辺に視線を向けると
楽しそうに遊ぶAちゃん。


なぜか周りにいる女達は目に入らない。

新入生がサークルで紹介された瞬間から、
俺はAちゃんに惹かれてた。


こんなこと言うなんて柄じゃねぇが、運命かも…なんて、ちょっと思ったりした。



「しっかし、金時がまだ手ェ出しとらんなんてぇ、珍しいのォ」


だから銀時だって。


「確かにそうだな。
なんだ、お前もついに本命か！？」


……まぁ、確かに
今までろくな恋愛してねぇしな。

Aちゃんは…
己の欲の為に抱いてきた女とは訳が違う。

いつまでも手をつないだだけで見れる初々しい反応に、俺まで初恋気分だ。



.


.


.

#25→←#23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す