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PARALLEL6 ページ6

『そういえば伝えるのを忘れていたな。
あちらに世界に行けばこちらにいた記憶が消滅する。こちらの空間の事を口を滑らされては困るからな』
「そういうのは先に言って!?」

かなり重要な事を『伝えるのを忘れていた』という言葉で片付けた神に、イラッと一瞬だけ怒りのようなものが湧く
咄嗟に言葉を選ばずAは神に怒りをぶつけた

『記憶の混乱が多少起こってしまうがそこは私が干渉しよう
最も、以前にこちらとあちらの記憶が上手くシンクロ出来ず脳が考えることを放棄し、廃人になったやつもいた
どうやらお前は大丈夫そうだ』

自分がもし、そうなっていたら。想像するだけで背筋がゾクリと寒気立つ
ほんとに、ガチな方でこの神、魔神なんじゃないか
平然と含み笑いで恐怖を告げる神に苦笑いを浮かべた

『おっと、そろそろ時間か』
「時間…!?」
『あちらに戻る時間だ。それともここに長居でもしてみるか?肉体が溶け始めるぞ』
「いえ、帰らさせて頂きます」
『よろしい』

その瞬間、天井の光が更に力を増し、Aを包み込んだ

『__次会うことになれば、お前の元の世界の話を聞かせてくれ』

全知全能が何を言ってるんだ、というツッコミは光に紛れ、声には出ない
でも神の声は、さっきの魔神とは似ても似つかない。きっと、どこかで聞いたことがある優しい声だった









「………」
「………えっ」

目の前にある綺麗な美形、脳が1度スリーズし
現状を飲み込んでいく
多分、寝台の上で、確かジュリアスと言った人に押し倒されている…のか…?
急に顔に血が上ってくる

「な、ななななにを…ッ!?」
「……身体検査」
「はぁああ!?」

バッと首を上げ、A自身の身体を見ると
ブラウスのボタンが外れていて、ブラジャーが丸見えだった
あまりの出来事にまた脳がフリーズした

「安心しろ。私は貴様の体になんぞ1ミクロンたりとも興味はない。興味があるのは、ここだ」

本当に一言多いヤツだった
ジュリアスは黒い手袋をしたまま、Aの胸の間に人差し指を指した
なに、こいつ…!変態か…!?

「貴様、この胸から出した緑色のギアス。一体誰から譲り受けた?能力は?」
「ギアス…?私、ギアスなんて…」
「誤魔化すな、仮にも同類だと思え」

ジュリアスは自身の眼帯の紐を引き、ゆっくりとそれを解くと乱雑に寝台の上に放り捨てた
開かれた左目には、赤く、美しい鳥が羽ばたいていた

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まゆ - 面白かったです(≧∀≦)楽しくて、ずっと笑ってました(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年5月18日 0時) (レス) id: e4c62973b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬんもも(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!かなり気まぐれにやっていますので、暖かい目で見ていただければなと思います! (2017年10月26日 1時) (レス) id: 73c8b6138f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白いです!!更新お待ちしております!!!!!! (2017年10月19日 16時) (レス) id: a55015a6ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬんもも | 作成日時:2017年8月23日 0時

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