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「紅蓮の君を探しに行くですって！？」
頷くあたし達。先輩達は物凄い顔をしながら詰め寄ってくる。そして案の定、反対されてしまった。
「何考えてんのあなた達！言ったでしょう！
彼は立ち入り禁止区間に居るかもしれなのよ！」
「そんなとこ、あなた達が足を踏み入れる事、出来る訳ないでしょう！」
「そんな顔で怒られたって怖くない」
「蛍っ」
「若紫さん、いけないわ」
先輩達の言葉に蛍と平然とした顔を見せている。先輩達にたじろいながらも、あたしは自分の想いを伝える。
「これだけ探して見つからないから、他に考えられないです。このままだと何か、嫌な予感がするんです…」
「だめよ。やめて紅華の君」
ごめんなさい。どんなに止められても、棗くんを探しに行きたいんです…っ
「棗くん、初めから“花姫殿”に何かあるって感じているような様子で、自分からここに来たがっていたの…」
「明日が終われば──」
「日向君にとって、あまり快適な状況が待っているとは考えにくいとは思うわ」
「今までの話を聞くだけで嫌な予感がするのに…っ
棗くんが変な事に関わってしまう前に、何かが起こってしまう前に、止めに行かなきゃいけないんです！」
中等部には何があるの…？棗くんと何の関係があるの…？
何で零先生がいるの…？
「だからと言って、この花姫殿で姫様の許可なしに勝手な行動したら、何が起こっても……っ！？」
「！」
あたしの意見に納得してない先輩達に詰め寄られるも、陽一くんが前に立ちはだかって先輩の額に指をあてた。
倒れていく先輩達はドミノみたいだ。その一瞬の隙に、あたしは陽一くんに担ぎ上げられた。
「へっ？！」
「何か起こってもその責任は、ばっちり自分でとらせますので…おねーさま方、ごめんなさい…」
「えっ、」
「行くわよ」
「よーちゃん！？蛍！？」
「ま…まちなさい、こら──っ！！」
「(ひえ〜…っ)」
陽一くんは走り出し、蜜柑の手を引く蛍と流架もそれに続いて部屋を出た。
「よーちゃん曰く、はやく行かないと棗くんが危ないんですって」
「え、」
陽一くんの霊感アンテナを頼りに廊下を走る４人。
「“この建物の地下から、さっきからずっと誰かの尋常でない負の妄執を感じる”って」
「ふ…ふのもうしゅう……？」
「辞書ひけ」
蛍は、よーちゃん翻訳機を使いながら伝えてくれた。
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作者名：未来 | 作成日時：2023年3月24日 23時
