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「…お…おい」





カマイタチもとい颯さんは、蛍と翼くんが話してるのを見て、動揺だけを煮詰めたような声を出す。





「お、お前ら…知り合いなのか、」


「この場どうする…え」





2人の話に割り込んで、ワナワナと震える手で翼くんを指差して叫んだ。





「お前、そいつ(黒髪)の何なんだ!!
親しげにしゃべりやがって───っっ!!」


「「「(えっ、何?
この空気読めてない空気使いの人っ)」」」


「(だから、お前こそ何なんだ──!)」


「ただの馬鹿だよ」





怒鳴る颯さんの空気の読めなさに蜜柑と翼くんは唖然、蛍と璃音くんは冷めた目で見つめた。


何やら文句を言い始める颯さんへ、心底面倒くさそうにバカン弾を構える蛍。ここまでくると…ドンマイ蛍。





「え…まてよ…
(こいつ)がいるってことは、もう1人いるあいつも危険能力系…」





翼くんがポツリと呟いた瞬間、あたし達の後ろの空気が変わった。





「つばさくぅ〜〜ん!やだやだ久しぶり〜〜!!こんな所でまた会えるなんて、ルイ感激〜っっ☆」





あの胸のトキメキの正体は君だったのね〜☆
きゃわん♡♡あいたかった〜ん、ラビュ〜ン☆


ルイさんは翼くんを見るなり、黄色い声をあげて恋する乙女のような顔をする。乙女モード全開で翼くんへ手を振った。


それを見た翼くんは声にならない悲鳴を上げた。





「…っ……」





その頃、地下の別所では棗は八雲がアリスで操る大量の毒虫を相手に、炎で必死に対抗していた。





「(葵、葵…っ)」





両者とも、戦局を譲らない状況だった。





チュー …バタバタ…


流架はふと、建物の梁の上を逃げるように移動する鼠に気付いた。





「(棗…)」





その様子から棗の状況を知り得て、時間が経っていく事に苛立ちと焦りを感じている流架に、蛍は気付いた。





「翼くんってば──何でそんなに逃げんのよ〜〜〜
も───照れちゃって!可愛い〜☆」


「照・れ・て・ね・え・よ!!来んじゃねえ、てめ──」


「素直じゃないんだから〜☆そこが可愛いんだけど!」





渾身の影踏みで翼くんが頑張ってる所申し訳ないけど、ついていけない。どういった関係なんだろう。





つかまってたまるかあぁ…
冷や汗を流し、必死の形相でアリスを使ってる翼くん。


萌える闘魂んんん…モエェェェ……
ぐいぐい迫るルイさん。





翼くんはアリスを使ってるから有利なのに押されている気がする。ルイさんに気迫負けしてる。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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