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こい、鯉、コイ…





「…ク、クールブルースカイ…」





ぼおーっとしていた彼から出てきた言葉にピンときた。この人、蛍に一目惚れしたんだ。





「は…はあ?!
何かこわいこの人…(さっきとは違うイミで)

…今のは何かの暗号?!」


「さ、さあ…」


「この人…ほっといた方がいいよね?」


「うん、逃げるなら今かも…」


「なら、今のうちにっ」





電波察知をして後退る蛍の手を握って逃げるように歩き始めた。





「…て、とまれ、こらあ!!
どさくさにまぎれて逃げんなっ!!」





後ろから大声で静止されてビクついたけど、相手の弱味が分かったら、もう止まる訳にはいかない。





「おっそ──い☆颯のやつー」





彼と対峙するように立つ棗は、瑠衣から視線を逸らさぬまま拳を握りしめている。





「3分で片付けてくるっつーから待ってやってんのに、もう5分じゃーん、一般人相手に何手こずってんだか。ダメダメだね、あいつ!」





ルイの命令であいつらの元に行った颯。くっそ、無事でいてくれよ。





「それだけの覚悟があって来たんだろう?棗…」





「ペルソナがどっかいっちゃったからいいものの、あいつ戻ってきたら、██(ピー)つぶしの刑だね☆
めんどくさいし、先やっちゃう?」







「結界の影響でこの建物の中では、通常の力の半分も出せるかどうか。

結界に慣れないお前が、彼ら全員を倒すような事があれば、お前の望む問いに答えてやろう」






ペルソナの奴、こいつら相手に無茶苦茶言いやがって…





「もし、できなかった時は…」





けど、やるしかねえ…





お兄ちゃん



「できなかった時は───…」





やるしか…っ





「ん?あれ──?アタシの心のいい男レーダーがさっきからウズウズしてるー☆何コレ?恋の予感!?」


「「...…」」





棗が覚悟を決めた時、瑠衣が拍子抜けするような声を出した。瑠衣の言葉に黙る棗と八雲。





「それとも、もしかして侵入者の中にあたしの過去マーキング(・・・・・)したことあるいい男が紛れてるってこと!?

やっだ──☆おもしろくなってきたじゃーん。ちょっとアタシ、颯んとこみてくるね〜☆」



「「……」」





閃いてテンションが上がった瑠衣は、そのまま颯の元へ行ってしまった。


またも黙るしかない棗と八雲は、膠着状態を保った。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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