とうの昔に止まってた ページ9
占い師視点
朝、目を覚ます
ベッドから腰を上げ、相棒の頭を撫でる
変わらぬ手触りと仕草が安心する
私の周りでは常に物事が激しく動き回っていた
それこそもう見たくないと自ら枷を嵌めるほどに
相棒に導かれここに来た
ここは毎日同じようなことをする
それが心地よくて、気づけば外のことはどうでも良くなっていた
でも左手の戒めといつまでも張り付く罪悪感がそれを許さない
毎日日記に彼女のことを書き綴った
忘れたくない
いや、忘れられなかった
望むことならここで一生変わらぬ時を過ごしていたい
そして自分はある日突然生涯を終える
もう、お人好しには疲れてたんだよ
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
納棺師視点
頭痛と共に目を開く。舞台は月の川公園だ
廃れた遊園地のようなここはこれから行われるゲームで棺桶を置く場所が非常に少ない
正直言って不利だ
重い足を動かし二階建ての建物に入る
そして2階に行こうとした時違和感を感じた
心音が先程から一定の間隔から変わらないのだ
調子が悪いのか、はたまた僕の心臓がおかしくなったか
2階に近づく度に心音が酷くなる
思わず乱れる息を落ち着かせ、ゆっくりと近づいたそこに彼はいた
「すまない。今君たちを追いかけるほどの気力はないんだ」
弱々しく呟かれたその言葉は震えていた
どうやら何かあったらしい。ゆっくりと近づくと、血色の悪い顔が見える
初めて会うハンターだった
とても綺麗な状態であるにもかかわらずその血色や濁りきった瞳は彼が死者である事を告げている
まるで精神的死を味わった人間だ
「俺に面白みを見つけたか。まあいい。思う存分見てるといいよ。本当に今は何もしたくないから」
急に声をかけられ体が跳ねる
そして思い出した。彼は[占い師]の義理兄弟だったはずだ
今日のメンバーは僕、心眼、空軍、そして占い師だ
なるほど。それで今彼は戦うことを放棄しているのかもしれない
「投降はしないのですか」
彼はほんの一瞬だけこちらに目を向け、また窓の外を見やる
「遊園地、久しぶりだったから」
「イライがいたくメリーゴーランドを気に入ってね。何度も乗る彼を眺めては幸せそうだとこちらまで嬉しくなっていた」
「……もう、そんなことも出来なくなるんだな」
メリーゴーランドを見悲しみのこもった感情で見つめる彼は本当にハンターなのだろうか
随分と人間くさい彼の横で一緒に回らぬメリーゴーランドを眺めていた
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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ゼロ(プロフ) - なんかクトゥルフ？とかわからないけど読んでみたら面白かったです！ (2020年6月21日 23時) (
レス) id: c3efaf6a5b (このIDを非表示/違反報告)
外国製烏(プロフ) - 月さん» ありがとうございます！光栄です！ (2019年6月1日 13時) (レス) id: 19489dbd8a (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白いですね！ (2019年5月31日 19時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：外国製烏 | 作成日時：2019年5月24日 18時
