頭脳 ページ34
占い師視点
今日は皆にバレるのではとヒヤヒヤした。
安心できたのは3人で散歩に出た時くらいだ。何かをしている時が1番落ち着く。
そもそも、私は助力をしただけなのでたとえAが何かをしたことがバレても脅されただのなんだの言えばいいのだろうが……
それは多分私にはできない。何故なら私は彼に嫌われることを恐れているからだ。
そもそもこの案件でバレる可能性のある人物なんてノートンくんとパトリシアさんの2人くらいじゃないだろうか。
ノートンくんはあまり話さない人だからそんなに彼の噂は広まっていないだろうし、発狂してたらしいから大丈夫かもしれないけど、パトリシアさんは……危ないかもしれない。
「ぴい」
考え込みすぎていた私の膝上に相棒が乗っかる。
心地よい重みに思わず頬が緩み、その背をなでた。
うん。いつ触ってもいい羽艶だ。
相棒は綺麗好きだからなあ。
しばらく彼女の背をなで、リラックスする。
そうすると不思議と不安や緊張が解けるのだ。
安心感を生んでくれる彼女には感謝しかない。
おかげで今の不安も薄れた。
いつも私の精神が追い詰められている時に彼女は助けてくれる。
それが嬉しくて、いつまでも撫でてしまうのだ。
幸せに浸るのもつかの間、ノックの音が部屋に響く。
恐らく彼だろう。扉を開け、そこを見ると案の定彼が立っていた。
『よお。今日はこのままで来たぜ。優先的に潰しといた方が良い奴とか聞いておこうと思ってな』
「……ノートンくんとパトリシアさんを頼むよ」
名前を伝える。
口がまるで磁石みたいに動かなかった。
皆からすれば仲間を裏切っていることになるこの行為は、私の精神を削り取っていく。
相棒が肩に乗って宥めてくれる。その暖かさだけが今は心の頼りだった。
『ん。了解した。じゃあ行ってくる』
そう言った彼を見送り、ベッドに飛び込む。
日記はもう書いたし風呂にも入った。もうやることはないのだから、寝てしまってもいいのではないか。
今日くらい、早寝してもバチは当たらないよな。
疲れた心を休めるために早めの就寝とする。
明日いなくなっているであろう2人を思い浮かべながら。
(補足。このままの状態できた発言について。Aくんは無形の落とし子状態でイライくんの元に訪問しました。別にイライくんの力を借りずともAくんは人間状態を解除できます。ならなぜ彼はイライくんに自らを撃たせたのでしょうね……?)
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ゼロ(プロフ) - なんかクトゥルフ?とかわからないけど読んでみたら面白かったです! (2020年6月21日 23時) (レス) id: c3efaf6a5b (このIDを非表示/違反報告)
外国製烏(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!光栄です! (2019年6月1日 13時) (レス) id: 19489dbd8a (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白いですね! (2019年5月31日 19時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:外国製烏 | 作成日時:2019年5月24日 18時