目覚めた彼:覚醒世界側END ページ44
『目覚めよ。覚醒世界の子』
｢ーーっ！はっ…！はあっ……｣
額に響く衝撃にベットからはね起きる。
｢ホゥ｣
ペットのぽっぽちゃんが心配そうにこちらを伺うのを見て落ち着きを取り戻す。
何故か私は夢の内容をはっきりと覚えている。
だがそれはあまりにもリアルで、そして浮世離れしていた。
そもそも私は〈天眼〉なんていうオカルトチックな目は持ち合わせていない。
それに僕は今婚約者と絶賛同居中だ。決して彼女に見限られたりぽっぽちゃんの中に住まうドルイド？とやらに導かれたりもしていない。
そして私が愛くるしいペットの名前を忘れるわけがないのだ。
それに、あんな場所は現実ではありえないこと。
帰れて良かった。
……だが彼を置いてきてしまったのは少し心残りだが。
まあ所詮は夢だ。彼もどこかで目にした誰かの情報を元にして作られた全くの他人であり生者ではない。気にしなくていいだろう。
伸びをしてベットから降りる。
キッチンの方からは美味しそうな匂いが漂ってくる。
さあ今日も幸せな一日を始めよう。
−−−−−−−−−−
騒がしい起床の音楽とともに掛け声が響き渡る。習慣づいた俺の体はそれだけで起き上がることが出来た。
……最悪の目覚めだ。
｢……イライ｣
何が最悪かなんて分からない。今呟いた名前でされ誰のものかなんて検討もつかないのに。
それでも得体の知れない後悔の念が寝起きの体に重く絡みついた。
｢よおナワーブしけた顔してんな！誰だよー
イライって！まさかお前のこれか？｣
同期の1人が小指を立ててこちらをからかってくる。
｢そんな古くせえ表し方あるかよ｣と適当に笑ってあしらえば先程のモヤモヤとした感情はすっかり抜け落ちた。
俺は自衛隊の一人。給料もそこそこいいし、親孝行は十分に出来ていると思っている。
仲間と馬鹿な話を繰り広げながら食堂に向かう。
意味もなく、夢から覚めることが出来てよかったなんて当たり前を喜んだ。
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ゼロ(プロフ) - なんかクトゥルフ？とかわからないけど読んでみたら面白かったです！ (2020年6月21日 23時) (
レス) id: c3efaf6a5b (このIDを非表示/違反報告)
外国製烏(プロフ) - 月さん» ありがとうございます！光栄です！ (2019年6月1日 13時) (レス) id: 19489dbd8a (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白いですね！ (2019年5月31日 19時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：外国製烏 | 作成日時：2019年5月24日 18時
