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番外編 ルーチェの発作3 ページ48
ライは倒れているルーチェに駆け寄り
手の中のピルケースをそっと取り出した。
｢ルーチェ…｣
倒れたままのルーチェは、浅く息をしていたが
ぴくり、とも動かない。
ライは痛みに耐えるような顔をして
彼女を抱きしめ、ピルケースをしまい
医務室へと足を早めた。
〜医務室にて〜
｢…ライ、どうしたの、ルーチェちゃん｣
｢…｣
｢…発作で、倒れちゃったんだね｣
耐えかねた、同僚であり親友のコルトは
ライの頬を流れる涙を見て そっと呟いた
ライはただ、無言で彼女を抱きしめていた
｢…ピルケースの成分分析、終わったよ
…すべて遺伝子を修復させる働きの薬
…ただ、すべて治ってるわけじゃない。
逆にルーチェちゃんの身体は…
もう、限界を迎えてもおかしくないよ。
テロメラーゼ、テロメア遺伝子を直しても
彼女の体細胞は既に
大人の域で、増えることもない｣
コルトは忌々しげに呟く
｢…大人の域…って、やっぱり、ルーチェは｣
｢…そう、ルーチェちゃんは
アル・ダ・フラガのクローン。
かつてのラウ・ル・クルーゼさんと同じ
レイ・ザ・バレルと同時期に作られた
言わば、完璧ではないもの。
…レイさんの事も、ルーチェちゃんの
事も、こうは言いたくないけどね…｣
コルトはライの腕の中で眠る彼女を見て
悔しそうに歯噛みするのであった
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作者名：なるちゃん | 作成日時：2016年9月28日 21時
