【現パロ金カム】紅影 (ページ3)

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第一話杉元佐一ページ3

ジリリリリリッ_______。

スマートフォンのアラームがなる。
こいつのせいで、俺の朝の目覚めはとても憂鬱だ。

本当に鳴らなくていい。
つか、もうこのまま永眠したい。
寝たまま死にたい。

俺の朝はこんな暗い気分で始まる。

まず、目覚めに1本。
そう考え、まだ意識が朦朧としながらも、お気に入りのライターで煙草に火を付けた。

「.....」

テレビを付けてみるが、映し出されるのは、朝のニュース、教育テレビ、朝のニュース、朝のニュース.....。

ここまで出てくる朝のニュースでの利点と言ったら、
時間を知れる
情報を知れる
天気を知れる
これくらいしかないだろう。
つか、コレが生業か...そうかそうか。

この家の時計は地味にズレている。
朝の1分は至極の1分だ。ズレていちゃぁ毎度の様に遅刻する。

直すのも手間がかかるので、そのままだ。
だからテレビをつけたんだ。

「ふぅ.....」

小さく口に含んだ白い煙を吐いた。
そして今度は真っ直ぐテレビの一点を見つめる。

_______あの、夢は一体なんだ。

先程見た夢が脳裏にこびりついたまま離れない。
いつもなら自然と忘れて仕事へ出かけているが、今度ばかりは違う。

何か、自分の本能が忘れては行けないと年を押してきたのだ。

「小蝶辺明日子...て、聞いたことあるわけねぇか。」

俺の脳には特にその子の名前がこびりついていた。
気高く美しい黒髪。
外国人並みの目の色。

アレは...あの子は...。

「一体誰なんだよ...」